1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「IT多重下請け」の構造と解決策 やりがい搾取と「報酬中抜き」はなくなるか?

ITmedia ビジネスオンライン / 2025年2月8日 18時42分

「IT多重下請け」の構造と解決策 やりがい搾取と「報酬中抜き」はなくなるか?

TECH PLAY Companyの片岡秀夫代表

 ITエンジニアやアニメ制作者らが抱えている「多重下請け構造」。この課題が社会問題となって久しい。発注者と受注者という立場の差が生み出した事象だ。「やりがい搾取」という言葉も広まっている。

 パーソルグループのパーソルイノベーション傘下のTECH PLAY Companyは、IT・DXの人材育成支援サービスを展開。27万人のIT人材と、500社のテック企業に利用されている。TECH PLAY Companyの片岡秀夫代表に多重下請け構造の課題を聞いた。

●なぜ「IT多重下請け」が生まれるのか?

 同社のサービス「TECH PLAY」はもともと社員起案から始まった。特にIT系の人材において、競合よりも強みを有していたことがヒントだったという。DeNAやLINEなどゲームやWeb業界が盛り上がっていた2010年ごろ、人材獲得競争が激しい市場になっていた。

 片岡代表は「人材ビジネスでは、エージェントが平均で35%の料率を設定しています。例えば当時のゲーム業界では本当に欲しい人材に対しては、年収の100%の料率を支払うような状況でした。つまり年収600万円でエンジニアを採用する場合、企業側は、採用手数料を含めると総額で1200万円が必要になる状況だったのです」

 最初は「優秀なソフトウェアエンジニアは、そもそもどこで何をしているのか?」というところから調べ始めた。そして彼らがITに関する勉強会やイベントに積極的に参加している実態を知る。「勉強会やイベントを通じて学ぶことを支援するサービスを作ろうということになりました。それが2013年10月にサービスを開始した『dots.』です」

 2017年に現在のTECH PLAYに名称を変え、現在に至る。現在の事業はB2BとB2Cに分かれ、前者はTECH COMPANY化に向けて戦略、育成、採用を支援。後者はTECH PLAYのWebサイトを通じて、技術情報やキャリア情報を支援しているという。年間で600回以上のITイベントを、企画立案もしている(2024年9月時点)。

 現在、自動車業界は、自動運転車の開発の需要などからIT人材を必要としている。例えば、トヨタ自動車はTECH PLAYのWebサイトに求人を出して採用活動をするほど、ITに特化して求人を募集している。片岡代表は「ソフトウェアエンジニアを採用するほどITに注力し、新しいプロダクトや事業を作りたいと思う企業を増やしたい。そういう機会を作りたいのです」と話す。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください