1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

NECの取り組みから探る「ユーザー企業がDXを成功に導く3つの要件」

ITmedia エンタープライズ / 2024年6月3日 16時34分

NECの取り組みから探る「ユーザー企業がDXを成功に導く3つの要件」

BluStellarの内容(出典:NECの会見資料)

「本日はDX(デジタルトランスフォーメーション)事業について非常に重要な発表をしたい」

 NEC社長兼CEOの森田隆之氏は、同社が2024年5月30日に同社が開いたDX事業の強化についての記者説明会でこう切り出した。発表したのは、同社がこれまでDXの事業基盤としてきた「NEC Digital Platform」を進化させ、価値創造モデルとして新たにブランド化した「BluStellar」(ブルーステラ)だ。本稿では、NECのこの新たな取り組みのポイントを探るとともに、そこから企業がDXを成功に導く要件について考察する。

●NECがSIerから「Value Driver」に転身する理由

 森田氏はBluStellarについて、次のように説明した(図1)。

 「当社が持つテクノロジーや人材、視点の全てを結集し、お客さまのビジネス変革を進め、未来へと導く価値創造モデルをブランド化した。お客さまの経営アジェンダを起点として、価値創造に向けた構想から実装までエンドツーエンドのビジネスモデルによって、お客さまと社会のDX人材を成功に導いていく。このビジネスモデルを支えるのは、テクノロジーおよび組織と人材だ」

 「テクノロジーにおいては、当社が強みとするAIやセキュリティをはじめ、これまで蓄積してきた知見やノウハウを集結し、お客さまのDXに最適なオファリングを提供する。そして、DXを強力に推進する原動力は組織と人材だ。当社の1万人のDX人材がナレッジをフルに活用し、課題解決に向けてお客さまに伴走する。また、お客さまおよびパートナー企業との共創プログラムを通じてテクノロジーを活用した顧客接点や業務の改革といった具体的な企業活動を強力に推進する」

 同氏はBluStellarを推進する全社横断組織を2024年4月に新設したことも明らかにした。2023年度にNECグループ全体を横断するDX事業推進組織として「デジタルプラットフォームビジネスユニット」(現在約3万4000人)を設け、今回この中に「BluStellar事業推進組織」を400人体制で立ち上げた。さらに、各事業部門にBluStellarのアンバサダーも配置し、幅広い事業領域に対応する構えだ(図2)。

 森田氏に続いてBluStellarの説明に立ったNEC CDO(最高デジタル責任者)の吉崎敏文氏は、「新ブランドを機に、当社はシステムインテグレーター(以下、SIer)から『Value Driver』へ転身する」と明言した。同氏によると、「システムを受託開発するSIerからBluStellarによってAIを活用した自動化、自律化、標準化を進め、社会価値創造をリードするValue Driverに進化する」とのことだ。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください