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AWSが打ち出す“日本独自の施策”の狙いは? 「デジタル化するユーザー企業」の針路を考察

ITmedia エンタープライズ / 2024年11月19日 7時5分

 このプログラムの内容を3つのフェーズの流れに沿って記したのが、図2だ。

 緑色で囲まれたものがビジネス面での支援、黄色で囲まれたものが技術面での支援である。

 佐藤氏によると、「まずSaaSを企画し、クラウドへ移行するフェーズから、設計、構築、そして改善、強化、最終的にはスケーリングできるGo-to-Market戦略まで、SaaS事業を行う企業の課題解決に必要な支援を提供していく。支援の中には、SaaS事業を始める際に行うシステムの移行だったり、その後のモダナイゼーションにおいて発生するコストを支援したりするクレジットプログラムもある。また、コミュニティ活動の例としてはSaaS事業に関わる、ビジネスと技術に関わる情報をまとめてインプットできる集合研修『SaaS Boot Camp』やCPO(最高製品責任者)向けの『AWS CPO Forum』 などを開催する」とのことだ。

 以下、3つのフェーズについて、佐藤氏が解説したポイントと筆者の考察を記す。

●AWSのビジネスエコシステムを使い倒せ

 「Migrate to AWS」では、SaaS移行計画の策定支援を挙げた(図3)。

 「SaaS化ができていない企業は、ビジネス観点での検討が不十分だったり、経験者が少なく、移行計画が立案できないということがある。こうしたニーズに応えられるように移行計画の策定を支援する。AWSには数多くのパッケージ企業のSaaS移行の支援ノウハウをまとめた『SaaS Journey Framework』がある。このフレームワークを活用してSaaS移行計画の立案を支援する。最新の生成AIを取り込んだサービスを開発したいという課題も支援していく」(佐藤氏)

 「Innovate with AWS」では、SaaS企業のシステムのモダナイゼーションやクラウドネイティブ化の支援を挙げた(図4)。

 「例えば、コンテナ化によってスタッフ1人あたりの生産性が80%向上したり、サーバーレスアーキテクチャの採用によってインフラコストを39%低減することができるといったメリットが報告されている」(佐藤氏)

 「Scale with AWS」では、 SaaS事業の拡大に向けて2つのプログラムを挙げた。

 一つは、「AWS Marketplace」だ(図5)。

 「AWS MarketplaceはSaaSの販売プラットフォームとして注目されている。これまで販売価格はドル建てになっていたが、個別に見積もりするプライベートオファーを利用することで、日本円での取引が可能になった。円建てでの見積りや契約が可能になったことにより、日本企業のAWS Marketplaceの利用が進んでいる。一方で、海外に販売することも可能な販路となる。国内外、どちらのGo-To-Market戦略にもAWS Marketplaceへの出品を支援する」(佐藤氏)

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