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これが“スマホの未来”? 手のひらに情報を映す「AI Pin」/巻ける&伸びるディスプレイを見てきた

ITmedia Mobile / 2024年4月1日 19時28分

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AI Pinはマグネット式で衣服に装着し、タップや声で操作する。価格は699ドル(約10万6000円)

 2月26日~29日にスペイン・バルセロナで「MWC Barcelona 2024」が開催された。ご存じの通り、世界最大級のモバイルの展示会だが、筆者は5年ぶりに取材に出向いた。取材対象はスマートフォンをはじめとするデバイス。しかし、MWCに合わせて新製品を発表するメーカーは少なく、会場ではAIやオープンRANなど、技術の展示が目立っていた。スマホの進化を一段落したということだろうか? 

●AIがスマホの在り方を変えつつある

 今回のMWCで多くの来場客から注目を集め、個人的にも引かれたのが、Qualcommブースに展示されていた「AI Pin」だ。米国のベンチャー・Humaneが開発したピン型のデバイスで、主にタップと音声で操作する。軽く小さな本体にカメラ、マイク、スピーカーを搭載。カメラは撮影ではなく、主に被写体を認識するセンサーとして機能する。ディスプレイはなく、レーザープロジェクターを搭載し、調べた情報などを手のひらに投影できる。その際、ハンドジェスチャーで表示を切り替えられる、ユニークなユーザーインタフェースも備えている。

 AI PinはeSIMを内蔵し、インターネットに常時接続する。デモンストレーションを見ていると、誰でも簡単に使いこなせて、なおかつ操作が楽しそうに感じられた。日本ではソフトバンクが取り扱うことが決まったようだが、スマホに代わる次世代のデバイスになり得る可能性を感じられた。

 AI Pinとスマホの差分として、個別のアプリを使わないことも挙げられる。AI Pinは対話式でタスクをこなしていく仕組みで、いちいちアプリを起動したり、切り替えたりする必要はない。使用感としては「Googleアシスタント」や「Siri」の進化形のようにも思えた。

 AIによるシームレスな操作性は、ドイツの大手キャリア、T-Mobileのブースでも体験できた。同社はAIスマホのコンセプトモデルを出展し、“NATURAL AI”と呼ぶ機能のデモンストレーションを行っていた。例えば、航空券を検索して、予約して、現地の情報を調べるといった作業が、自然な会話だけで完遂する仕組みで、ユーザーはそこにアプリの存在を意識することはない。説明員によると、ユーザーに最適化した情報を提案することもできるという。

 MWCに初出展したKDDIのブースには生成AIマスコット「Ubicot」のプロトタイプが展示されていた。さまざまな生成AIと連携できる仕組みだが、出展されていたのはGoogleが開発した生成AI「Gemini」と連携するモデルで、既存のスマートスピーカーとは異なり、自然な会話で知りたいことを調べられる。

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