ライカの新スマホ「Leitz Phone 3」を試す 最上級のスペックに表現力の増したカメラが融合
ITmedia Mobile / 2024年4月19日 11時19分
AQUOS R8 proと同様に新たに搭載するのが、14chスペクトルセンサーだ。これは光源の波長を分析して、色味を調整するためのもの。屋内空間で光源の色味にばらつきがある場合でも、このセンサーがより色を正しく検知して、カメラの写りをより見た目に近い色へ調整するという。
なお、光学式の絞り機能は搭載しておらず、シャッターボタンも備えていない。ハードウェアとしてはあくまでAQUOS R8 proに準じている。
●Leitz Looksは表現の幅が広がる 絞り値の設定も可能に
カメラアプリはAQUOSのものをベースにしつつ、Leica独自のカスタマイズが施されている。この端末には「Leitz Looks」という特別な撮影モードが搭載されており、Leicaのレンズ特有の描写をソフトウェアで再現する。
Leitz LooksはLeicaレンズの持つ独特な表現力を、スマートフォンで再現する撮影モードだ。28mm、35mm、50mmの各焦点距離を持つバーチャルレンズを選択できる。これらはLeicaのMシリーズレンズにちなんだ名前があり、レンズの味わいをコンピュテーショナルフォトグラフィー技術で再現する。より具体的な説明をすると、画像処理を用いて色味を調整したり、被写体検出してぼかしを加えたりして、写真に独特の質感を加えるモードとなっている。
さらに「Leitz Tones」というLeicaカメラ風のフィルターを使用し、アレンジも追加できる。ブラックや映画風などLeitz Phone 2からの3種類にフィルターがあり、3では「Enhanced」と「Vivid」という2種類が加わった。これにより、レンズとフィルターの組み合わせで合計18パターンが選択できるようになっている。
さらに、バーチャルレンズでは絞り値を設定できるようになり、28mmと35mmでは5段階、50mmでは6段階の調整が可能で、ボケ感を浅くすることができるようになった。
Leitz Looksは、AIによる被写体認識技術を活用して、Leicaレンズ特有のボケ味や色調を再現する機能だが、独特の癖があるのも事実だ。AIの被写体認識が正確でない場合、ボケ味が不自然になってしまうことがある。つまり、この機能は被写体認識の精度に大きく依存しているのだ。
現状では、被写体と背景の分離精度にばらつきがあるため、期待通りの結果が得られないこともある。しかし、ポートレートのような典型的な被写体を撮影する場合は、記憶に残るようなアーティスティックな写真が得られやすい。また、光や影の描写も他にはない独特の味わいがある。特性を踏まえた上で、使いこなしてみたくなる印象的な機能だ。
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