ドコモは通信品質をどう立て直すのか 前田新社長が語る「品質ナンバーワン」への方策
ITmedia Mobile / 2024年6月18日 19時20分
研究開発では、HAPSや低軌道衛星(LEO)、静止軌道衛星(GEO)を連携させる「宇宙統合コンピューティング・ネットワーク」の取り組みを挙げ、「この領域ではグローバル展開も見据えている」と語った。先に挙げた方針の通り、いずれの注力分野でも「お客さま起点で事業運営」を徹底するという。プレゼンテーション終了後には、報道陣からの質疑応答に答えた。分野別の主な一問一答は、以下の通りだ。
●Sub6の拡充で体感品質を向上、通信分野の運営方針は?
―― 通信に関して、今の課題をどう捉えているのか。また、非通信分野出身だが、通信分野のかじ取りをどうしていくのか。
前田氏 昨年来、さまざまなご指摘をいただいていたが、23年度を通じて集中対策を実施し、改善は進んでいる。実際、昨年度後半には300億円を投じ、ネガティブな声はだいぶ減っている。お客さま体感品質向上の効果はあったと理解している。もちろん、対策はもっと強化していなければならない。人口集中地域に関しては、さらなるトラフィック増を見据えて、Sub6の集中投下を行う。
これまで通信を直接担当したことは確かにない。ただ、ドコモに来てから10年ほど、iモードをやらせていただいた。さまざまなコンテンツやサービスは、通信のインフラの上で価値が成り立っている。当時から、どのぐらい通信サービスが進化すれば、どういうコンテンツが提供できるかは社内が一体となって検討してきた。もちろん、それはさらに強めていかなければいけない。私だけでなく、ドコモの社員全体がそういう認識を持っている。
―― 現状、通信ではドコモの強みはどこにあると思っているのか。
前田氏 他社に先駆けて「瞬速5G」を整備してきた。全国的に見るとカバー率は一番だと思っているし、全国レベルでの品質を提供できている強みはある。ただ、エリアごとに強い弱いはある。当社だけでなく、他の会社もそうだが、どんどん強化し、負けないようにしていきたい。
―― 5Gへの投資はどうなるのか。
前田氏 まず5Gへの投資は積極的にやっていく。その中でも、Sub6を中心とした通信品質に好影響がある投資は大きく進めたい。東名阪などの都市部を中心としたところには、集中的に(基地局を)打っていくし、全国的にも進めていく。装置自体も新しいものに切り替える。毎年毎年、かなり多くの設備投資をしているが、その中でもかなりの割合をここにつぎ込んでいく。
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