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米国生まれの「ヨシノパワー」が“固体電池”のポータブル電源に注力する理由

ITmedia Mobile / 2024年6月27日 16時5分

 大容量モデルは、家庭の「蓄電用」にも使えるようにしたいと思っています。一方、事業者向けには、例えば太陽光発電をしている事業者の蓄電や、EVスタンドの電源としてといった大きな領域を取りに行ければと思っています。

 また、あとは大きな工場(への導入)も視野に入れています。病院や自治体といった所も市場としては有望だと思っていて、大容量製品はこれらのを狙っていこうと思っています。

●2024年1月の「能登半島地震」でポータブル電源を提供

―― 自治体への導入を進めたいという話もありましたが、確か2024年1月に発生した「能登半島地震」の際に、ヨシノパワーのバッテリーを提供していましたよね。どのようなきっかけで提供したのでしょうか。また、提供時の自治体や避難所の反応はいかがでしたか。

桜田社長 1月1日の出来事だったので、よく覚えています。当社のホームページの問い合わせフォームに、老人ホームの方から「明日には電気がなくなるので、バッテリーなどがあれば提供してほしい」というメールが届いたのがきっかけです。

 当時は、道路などのインフラが送れるような状況ではありませんでした。しかし、ちょうどオフィスに充電済みのポータブル電源が10台ほど置いてあったので、「それを持って行こう」と決断し、震災の翌日の1月2日から運び入れました。

 持っていった際には、とても喜んでいただけました。実際に現地は停電中で電気が通っていなかったので、必要な箇所に全部置いていきました。

―― ちなみに、震災では停電の続く場所にポータブル電源を持っていかれたわけですが、電源自身の充電はどのように行ったのでしょうか。

桜田社長 バッテリーと一緒にソーラーパネルも持参しました。現地で充電のやり方も説明してきました。時間がかかるものの、自動車の12Vアクセサリー(シガー)ソケットからも充電できることも案内しました。

―― こういったポータブル電源を実際の災害現場などで利用した際のデータを取るのは難しいと思いますが、施設の方はどのように使っていたのでしょうか。給電時間はどのくらいだったのでしょうか。

桜田社長 一番利用されていたのはストーブや電気毛布ですね。震災が起こってから数日間は寒かったこともあり、暖を取る目的で使われていました。お湯を沸かしていらっしゃる人もいました。

―― となると、相当消費電力の大きい用途に使われていたんですね。

桜田社長 その通りで、容量の大きい製品を持っていく必要がありました。電気毛布は比較的消費電力が低いので、B300やB600でも大丈夫でしたが、電気ストーブなどは(容量や出力の)大きいモデルが必要でした。電気ストーブの種類にもよりますが、大容量モデルなら1日程度は持ったそうです。

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