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280円プラン×旅行特典を打ち出すHISモバイル ただし“日本通信ショック”で激震、改定が急務に

ITmedia Mobile / 2024年9月27日 6時5分

―― なるほど。280円という部分がフィーチャーされますが、どちらかといえば中容量帯の見直しという側面の方が大きかったということですね。その中で100MB未満を10円値下げしたのは、やはり日本通信への対抗という意味合いが大きかったのでしょうか。

猪腰氏 280円の根本には、日本通信とのすみ分けがあります。今までは金額が290円でまったく同じでしたが、それだと1GBまで使える日本通信でいいとなってしまいます。少なくとも、ほとんど使っていない人であれば、10円でも安い方がいい。日本通信もいろいろな料金プランを出されていますが、そことなるべく離れにいくというところで値下げしました。弊社のユーザー属性として、やはり海外に行っている方が比較的多い。そういうところを出しつつ、HISらしくやれたらという思いで280円にしました。

●社内の人脈を生かして旅行関連の特典を開拓 HIS側にメリットも

―― 280円で維持していても旅行関連の特典が使えるのはなかなかすごいですよね。

猪腰氏 これは昔からやりたかったことです。そもそもコロナ禍は想定外でしたが、それがあまりにも長引いている間にHISも冬眠状態が続いていました。われわれは自由自在プランを出し、流入も増えていましたが、現地(海外)で人が動いていない。お客さまも旅行には行かないという状況が続いていました。昨年(2023年)、自由自在スーパープランを出したときはようやく動き始めていましたが、動き始めたばかりで交渉にならない。

 その間にぐるっと一周回って、今は料金がどんぐりの背比べになっています。それならHISの看板を出して訴求した方が分かりやすい。せっかくHISなのに、何で特典がないの? という声は多かったですからね。業界で問われているのも、キャリアとどう差別化するかです。そこに従い、うちらしさを出すために力を入れて交渉しに行きました。

―― コスト構造的には、大丈夫なのでしょうか。

猪腰氏 社内的には協力体制ができています。原価構造として、1件使うごとにコストが増えるようなものは出せませんが、トロリーのようなサービスは基本的に全て買い切ってから提供するため、増発しなければならないほど人が増える状況にならなければ問題はありません。満員電車の乗車率が80%から100%になっても、基本的な原価が変わらないのと同じです。

 私自身、ずっとハワイの仕事をしてきましたし、HISモバイルに出向してきたメンバーの中にも社内的な人脈のある人が増えてきました。そのへんの交渉がスムーズにいくようになり、協力を仰げたのは大きいですね。お金を出せと言われるとなかなか難しいところですが、グループ同士で応援し合う形で同意が取れました。これは、社内人脈が効いている部分でもあります。

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