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シャープの「AQUOS R9 pro」は“カメラを超える”スマホ 3眼カメラやシャッターキーの意図、19万円台でも投入する意義とは?

ITmedia Mobile / 2024年10月31日 6時5分

 AQUOS R9 proのデザインは、3つのカメラと、それらを載せた円形の台座が大きな存在感を放っている。AQUOS R9ではデザインを一新し、miyake designが監修。よりプレーンな外観になり、カメラの台座に、円でも楕円(だえん)でもない自由曲線を採用した。

 AQUOS R9 proのデザインは、一見するとAQUOS R9やAQUOS sense9とは一線を画するものだが、中江氏によると、AQUOS R9 proでもmiyake designのデザインを採用しているという。特にカメラ周りの仕上げにはこだわり、「大きなカメラ窓の中のカメラの配置を、微妙に不ぞろいにしている」という。AQUOS R9とAQUOS sense9の自由曲線とは異なるテーマで記号性を持たせた。

●前年から3倍売れたAQUOS R9 それでも超ハイエンドのAQUOS R9 proを出す意義は?

 2024年7月に発売したAQUOS R9は、性能と価格の絶妙なバランスが支持され、「世界的にハイエンドスマートフォンの需要が伸び悩んでいる中、前年比で3倍売れている」(小林氏)というほど好調だという。AIによってよみがえった松田優作さんを起用したCMの効果も大きく、「世間の注目度が爆発的に変わった」(小林氏)。松田優作さんを知る世代をターゲットにしたわけではなく、若者へ訴求するという狙いも当たり、「あのプロモーションによってブランドの平均年齢が若返った」そうだ。

 「デザインの力が大きかった」と小林氏が言う通り、刷新したデザインも受け入れられた。「以前のAQUOSと雰囲気がだいぶ変わったとご評価いただく声も増えてきた」と同氏は手応えを話す。

 メーカーとして、2024年はAQUOS R9、AQUOS wish4、AQUOS sense9だけでも十分勝負できるだろう。それでもAQUOS R9 proを出す意義はどこにあるのか。また、AQUOS R8シリーズのときのように、なぜ同時発表しなかったのか。

 小林氏はAQUOS R9 proについて「数を出せそうにないのはその通り」と認めつつも、「もはやスマートフォンというよりはカメラだと思っている」と語る。「技術の最先端を攻めていく上では非常に重要な商品。ああいうものが作れないと、スタンダードや、タンダードハイといわれるゾーンでもいい画質は作れない」と続け、技術を突き詰める上で欠かせないピースであることを強調する。

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