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QualcommのSnapdragonはどこへ向かうのか 鍵を握る「車載システム」への領域拡大

ITmedia Mobile / 2024年12月14日 6時5分

 ITの世界の進化速度を考えれば10~15年前のシステムなど陳腐化を免れない。その一方でユーザーは製品を使い続け、販売したメーカー自身もそのフォローを続けなければならないため、コンシューマー家電の世界の常識を自動車や産業の世界に持ち込むことは困難だ。

 そこでハードウェアのメーカーとしては、性能のマージンをある程度取りつつ、残りはSDV(Software Defined Vehicle)で対処することになる。Teslaなどが典型だが、近年の最新のADASを搭載した自動車の世界では、ソフトウェアのOTA(Over The Air)によって適時機能強化や改修が行われる。逆にいえば、SDVのようにスマートフォンやPCのようなソフトウェアが動作する自動車においては、定期的なソフトウェアアップデートがない限りセキュリティ的にも脆弱(ぜいじゃく)であり、同時に中古市場や長期間利用などを考慮したときのサポートがないに等しい。

 QualcommはGoogleとの複数年契約を2024年10月23日(米国時間)に発表しており、Snapdragon Digital ChassisにおけるAI対応コックピットの開発を容易にするためのフレームワークを用意している。こうした両社の提携には、同ソリューションを利用してIVIやADAS搭載の自動車を市場に出すメーカーを支援する仕組みも組み込まれており、必要なアップデートの準備やパッチの提供などもまた、この仕組みを通じて提供されることになる。

 ベースとなる技術はスマートフォンやPCと一緒であっても、耐久性や信頼性、そして長期サポートの面で大きく異なるのが車載やIoTの世界だ。これは同時に、いちど取り組みを開始した以上、それだけ長期間のサポートをパートナーとともに提供し続けなければいけないことも意味しており、Qualcommにとっては業績を伸ばすための新しいフロンティアであると同時に、大きな役割も担わなければならないことだ。

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