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シャープに聞く「AQUOS sense9」の進化と「AQUOS R9 pro」を作ったワケ 根底に“AQUOS R9の刷新”あり

ITmedia Mobile / 2024年12月24日 16時33分

清水氏 おっしゃるように、ライカのファンの中にはLeitz Phoneを選ぶ方もいます。

―― とはいえ、やはりライカと協業した端末で写真を撮ると、すごく雰囲気のある写真が撮れます。この雰囲気の正体は何なのでしょうか。

中江氏 恐らくですが、ノイズを消しすぎていないからだと思います。スマホで撮る写真は、きれいに撮ろうとしてノイズを消し、はっきりさせた絵が多い。一方で、ライカは写実的で、空気すらも撮影したというぐらい、ありのままになります。そのときにやっているのが、ノイズを消しすぎないことです。一見すると粗っぽい部分が残るように見えるかもしれませんが、ノイズを消すと、その分だけディテールも失われていきます。

●プロセッサにSnapdragon 8s Gen 3を選択した理由

―― 今回、プロセッサは「Snapdragon 8s Gen 3」です。フラグシップモデルだと、「s」がつかない「Snapdragon 8 Gen 3」も多いですが、なぜこれを選択したのでしょうか。

中江氏 「Snapdragon 8 Elite」も出ている中では、他にも上位のプロセッサはあります。ただ、パフォーマンスが出ないというユーザーの不満は既にだいぶ減っています。一方で、カメラはもっときれいに撮りたいというニーズはある。パフォーマンスとカメラ性能を2軸で考えたとき、Snapdragon 8s Gen 3はCPU性能が少し落ちる一方でISP(Image Signal Processor)は強化されていて、十分な性能が出ます。当然、コスト的な問題もあります。いくらフラグシップでも、めちゃくちゃ値段が上がりすぎてしまうのはよくない。その全てのバランスを考えると、今回の選択はベストだったと思っています。

 実際、Snapdragon 8 Eliteがないと動かないものがあるとすると、世の中のほとんどのスマホで動かなくなってしまいます。そのユースケースが加速度的に広がるかというと、なかなか難しい。Snapdragon 8 EliteはCPUにOryonを使っていて、パフォーマンスと省電力のバランスが取れているのでモバイルにも使いやすいのですが、あれがないとどうにもならないというシーンはまだまだ少ない。そこにコストを投入するよりも、今使えるパフォーマンスとしてカメラ性能を上げていくことが必要だと考えました。

 ただし、今後も同じかというとそうではありません。それがあることによって、ユースケースやユーザー体験が変わる瞬間は必ず出てきます。技術の進化でコンテンツも進化していくので、生成AIなどの動向も見ながら最適なSoCを選び続けなければいけないと考えています。

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