シャープに聞く「AQUOS sense9」の進化と「AQUOS R9 pro」を作ったワケ 根底に“AQUOS R9の刷新”あり
ITmedia Mobile / 2024年12月24日 16時33分
中江氏 今までは、1型センサーを最大限活用したかったという思いもありました。光学性能はいいので、あらゆるシーンで使えるからです。しかしながら、やはり被写体と画角の関係を考えたとき、普通の一眼カメラでもレンズを変えますよね。さまざまなものが被写体になるので、1つのカメラだけだとやはり厳しい。最適な状態で撮れることを目指すと、おのずとこの構成になりました。
―― 望遠は切り出しよりも解像感も上がるのでしょうか。
清水氏 1型からクロップよりも、1/1.56型をそのまま使った方が高くなります。
中江氏 レンズの影響もあります。1型をさまざまなところに使おうとすると、ゆがみや周辺減光でやはり無理をしてしまう。その意味では、広角の1型をよりいい状態で使えることにもなって、よかったと思います。
―― なるほど。広角なら広角で決め込んでレンズを作った方がいいということですね。
中江氏 はい。1型で超広角も標準もとやっていくと、超広角側に合わせて無理をした設計になってしまいます。
●あえてノイズを「消しすぎない」ことで雰囲気のある写りに
―― ちなみに、同じライカモデルでも、Xiaomiはフィルターを載せるなどして、UI(ユーザーインタフェース)の中にもライカという固有名詞をちりばめているような印象を受けます。AQUOS R9 proには、そういったフィルターがありません。
清水氏 そこの考え方は、悩むところです。ただ、われわれはライカと一緒にやっているので、AQUOSのカメラがいいと思っていただきたい。ライカを前に出せば出すほど自分たちのブランドが埋もれていくので、今のような形でバランスを取っています。一方で、ライカのイメージがつきやすいのも確かなので、他社のやり方もうまいとは思います。
中江氏 先ほどお話ししたAQUOS sense9はライカの認証を取っていませんが、絵作りに関しては同じように作っているといえます。(フラグシップモデルで)全面的にライカを押し出していないからこそ、そういった印象を持ってもらえる側面はあります。ライカモデルはいいよね、となってしまうと、逆にライカがないAQUOSは今までと同じと思われてしまう。それはもったいないですよね。せっかく協業してわれわれの技術力も上がっているので、それがいろいろなところに反映される方がいいという判断です。
―― よりライカの世界観を楽しみたい人には、Leitz Phoneもありますね。
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