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「LUMIX S9」炎上を、宣伝広告の裏側から考える 見えてきた世間との認識の“ズレ”

ITmedia NEWS / 2024年6月13日 7時30分

「LUMIX S9」炎上を、宣伝広告の裏側から考える 見えてきた世間との認識の“ズレ”

 コンパクトなフルサイズミラーレスカメラとして、6月20日発売予定のパナソニック「LUMIX DC-S9」(以下LUMIX S9)がネットで炎上状態となった。

 事の発端は、X上で商品の機能説明ページで使用されている写真が、ストックフォトのものではないかと指摘されたことだ。5月28日にはパナソニックから謝罪文が出され、ストックフォトの使用や、S9以外のカメラで撮影した画像が使われていたことが確定的となった。

 カメラ機能や効果を説明する公式サイトに掲載された写真なら、そのカメラで撮ったんだろうと思ってしまうのは、まあ、分からないでもない。ただ実際には、製品紹介のサイトで実機撮影の画像を使うのは、スケジュールの面で非常に困難という事情もある。

 筆者はライター業の一環として、またライター業になる前から、製品の宣伝広告の仕事を行ってきた。これは裏方の事情であり、一般消費者からすれば「知った事か」という話ではあるのだが、カメラ好きであれば知っておいて損はない、そういうお話しをする。

●製品情報ページが出来上がるタイミング

 まず分かりやすいように、製品が発売される直前の様子を、時間軸をさかのぼりながらお話しするのがいいだろう。

 筆者はカメラレビューもかなり頻繁に行っているが、「一般発売後」にお借りする際には、製品版が手元に届く事になる。一方で「発売前」に実機をお借りする場合は、タイミングによっては最終品同様の梱包で来る場合もあれば、仮の白箱で届くこともある。

 白箱の場合はエンジニアリングサンプルなので、マニュアルもなく、レビュー内に「試作機のため、量産品とは仕様が異なる場合がある」等の注釈を入れる事になる。また製品箱に入っていても、メーカー側からここが最終とは異なります的な注意点が同梱されている事もある。到着後にファームアップが必要なケースも多くある。

 このようなタイミングでも、すでにメーカーサイト上には製品紹介ページができ上がっていて、そこで製品の特徴や仕様を確認できるようになっている。公式サイトにも情報がないような製品はそもそも未発表なので、メディア側が先にレビューを出す事はない。

 こうしたことからもお分かりのように、実は製品情報ページが出来上がるのは、かなり早いタイミングだ。発売日から1カ月前にすでに公式ページがあるということは、ページの制作はそこからさらに2カ月~3カ月前からスタートしており、海外版の翻訳ページを用意したり印刷物も作るとなるとチェックに時間が取られるので、サイト公開の1カ月ぐらい前にはほぼほぼ日本語のページが完成していないと間に合わない。

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