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「ゼルダの伝説 ティアキン」制作の舞台裏 「トーレルーフ」が生まれるきっかけとなった“3つのアイデア”

ITmedia NEWS / 2024年8月28日 8時5分

 この問題に役立ったのが竹原さんのチームが開発した穴探しツールだ。しかし、このツールには限界があった。穴の大まかな位置は特定できても、具体的な修正には人の手が必要だったのだ。さらに穴の原因は複数の要素が絡み合っており、単純な自動修正は困難だった。

 また、穴探しツールを使うはHoudiniのスキルが必要で、誰もが扱えるわけではなかった。そもそも人手不足のため見送っていた数千もの小さな穴を、今回修正する必要が生じたのだ。竹原さんは、地形に詳しくHoudiniのスキルを持つ人材が必要と考えたが専門性の高い人材の確保と適切な配置は容易ではなかった。この状況に、竹原さんは頭を悩ませていた。

 突破口となったのは、大礒さんのQAチームが整えた開発チームとテスターチームの協力体制だった。大礒さんのチームは、テスターにも高度なデバッグツールの使用権限を与え、開発者との情報共有を促進する仕組みを既に構築していた。ゲーム内の地形に精通し、有償ツールのHoudiniも扱えるテスターが多くそろっていたのだ。

 テスターたちは新たに与えられたツールを駆使して効率的に問題箇所を特定し、詳細な報告を行った。開発者はその情報を基に、的確かつ迅速に修正を行うことができた。

 こうして、朝倉さんのボクセルデータ技術、竹原さんの効率的な地形制作と穴探しツール、大礒さんのQAプロセス革新と情報共有文化が見事に融合し、トーレルーフが誕生。この機能は、単なる移動手段の一つにとどまらず、ティアキンのゲーム体験を大きく豊かにする要素となった。

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