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中小のプロダクションでも導入可能? 映像制作に特化した“お手軽”な国産クラウド「Mass」を試す

ITmedia NEWS / 2024年9月5日 16時39分

 ただしこれを動かすためには、MacおよびLinuxでは仮想ドライブをマウントするため、「FUSE」というオープンソースのシステム拡張機能をインストールする必要がある。MacOSの場合はこれがかなり難物で、インストールするために一度セーフモードで起動し、OS提供のツールを使ってセキュリティレベルを下げる必要がある。

 Linux版ではこのような動作は必要ないようだが、MacOSのセキュリティレベルの厳しさが裏目に出た格好だ。またWindows版はFUSEを使わずVFSというツールを使うため、やはりセキュリティレベルを下げるという操作は不要という事である。

 MASS Desktopが無事動いたら、もう一度ブラウザから「Mass Desktop」 - 「マウント」を実行すると、そのフォルダがローカルドライブとしてマウントされる。ここからNLEアプリにファイルをインポートすれば、通常のローカルドライブにファイルがある状況と同じように編集できる。

 ただ、仮想ドライブの実行によってファイルへのリンクは張られるが、実ファイルがそこにあるわけではない。マウントしたファイルがローカルドライブへキャッシュされなければ、NLEツールで再生できるようになるにはならない。

 キャッシュはデフォルトで250GBに設定されているが、ドライブの空き容量の50%までが推奨される。現時点では、どのファイルがキャッシュされたのか、あとどれぐらいでキャッシュが完了するのかを示すパラメータがないので、編集マンはとにかくよく分かりないが待ち、という状態に置かれることになる。

 これは仕組みを知らないディレクターやクライアントが編集に立ち会う場合、進行状況が目に見えないものを取りあえず待ってくれ、というのは、なかなかに説明が厄介だ。これは何らかの解決策が必要だろう。

 1つは、編集ツールの中でプロキシファイルを作成してしまうことだ。プロキシファイルの作成にはオリジナルのファイルが必要なので、キャッシュが終わったファイルから順次ローカルでプロキシファイルが作成されることになる。4Kや6Kの編集が難しいマシンではもともとプロキシは必要になるので、この作業が終わるまで待ち、というのは納得できる。

 もう1つの方法は、マウントしたMass上のファイルを、コンピュータ上のエクスプローラやファインダなどを使って、別のMassの領域にコピーすることだ。OSのファイルシステムを使ってコピーを行うことになるので、その過程でオリジナルファイルがローカルにキャッシュされる。コピーが終わればキャッシュも完了というわけだ。

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