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スマホだけじゃない、家電メーカーとして攻勢をかけるシャオミ 新製品に見る、日本市場の“攻め方”

ITmedia NEWS / 2024年10月24日 14時24分

 2つ目のポイントは、この価格でありながら144Hz量子ドット技術のQLEDパネルを採用したことである。現行の100インチテレビでは、TCLやハイセンス、TVS REGZAがQLED製品を出しているが、どれも50万円オーバーである。最先端のトレンドを押さえつつ、Xiaomiは一般黒物家電でも既存メーカーと勝負できるという、大きなインパクトを与えるのが目的だろう。

 3つ目のポイントは、これがGoogle TV搭載のチューナーレスであることだ。このサイズで見るものは、もはやテレビ放送ではないだろうという割り切り…、ではない。例えば「テレビ放送波が受信できないものはテレビとは呼ばないんじゃないんじゃないか」という感覚は日本だけのもので、テレビ放送もそのままネット経由で見られるというのが、世界のスタンダードである。

 イギリスではすでに地上波の放送は辞めてもいいんじゃないかという議論もあるぐらいで、むしろチューナーレスのほうが世界標準なのだ。

 狙いでチューナーレスなのではなく、これが世界のスタンダード。この感覚を、保守的な日本のテレビ市場に堂々と持ち込んだというのが、みどころなのである。チューナーがないので、B-CASやACASの支配も受けない。この100インチテレビをきっかけに中型サイズのXiaomi製テレビが市民権を得てくれば、日本にとっては大きな転換点となり得る。

 ちなみにXiaomiは米国市場向けにはテレビは販売しておらず、主力はゲーミングモニターである。中国Huaweiのような輸入規制を受けることを警戒しているのか、家電ビジネスとしてはヨーロッパのほうが大きいようだ。また中国本土においては、100インチモデルとして「Redmi MAX 100 2025」というモデルをリリースしているが、これはRedmiブランドからも分かるように、廉価ラインアップである。日本およびワールドワイドで発売される本モデルとは別物だ。

 日本においてテレビは、耐久家電という扱いである。一般的にテレビの寿命はおよそ10年と考えられている。以前筆者はTCLの43インチテレビを買ってみたことがあるが、1年ちょっとしか保たなかった。保証期間もちょうど切れたタイミングであり、有償でも修理しようと思ったら、購入価格より修理費のほうが高額というバカバカしい事実に直面した。エコにうるさい日本において、「買い直した方が安い」は許されない。

 Xiaomiの場合、スマートフォン以外の家電の品質はどうなのか、あるいは修理サポートはどうなのか。一般家電で日本に参入してきた今、これからそれが「日本人の目」で厳しく問われる事になる。

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