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マケイン×豊橋市 “超絶コラボ”実現の舞台裏 作品と地元をつないだキーパーソンたちに聞く【後編】

ITmedia NEWS / 2024年10月25日 12時3分

――フィルムコミッションが豊橋をロケ、つまり作品の誘致で盛り上げようと積極的に動いていたことも、その機運の背景にありそうですね

福井:その通りだと思います。総選挙の成功もそれがあってこそですね。

――そこからアニメ化の発表がありました。鉄道会社が鉄道や駅をある意味「越境」して街での版権の展開も集約するというのは前例がほとんどありませんから、また説明・調整が必要になりますね

福井:原作の版権からアニメの版権を活用したものへと、またイチからのモノづくりではありましたが、マケインについては特に豊橋という要素を大事にしよう、という共通意識があったのは大きかったと思います。ただ仰るようにコンテンツタウン構想でのお話ははじめてだったので、「なぜJR東海が? 豊橋市はどういう立ち位置?」という、まさにこの取材のような確認作業は結構時間を掛けておこないましたね。

 私が当時いつも言っていたのが「あまり深く考えずにいきましょう」ということですね(笑)。地域とコンテンツが盛り上がるなら、誰がやろうが構わない。アニメ会社でも、豊橋市でも良いし、フィルムコミッションでも良いけれど、ただJR東海を使わない手はないんじゃないですか、と。私たちには「着地でのイベントづくり」のノウハウがある。私たちを巻き込んでもらえれば、実際、総選挙がそうであったように、ファンが大勢いる東名阪という大都市圏で告知を展開し、彼らに豊橋に足を運んでもらって、地元の産業にもメリットを生み出せるものだと思っています。

――現在、まちあるきスタンプを展開しているフィルムコミッションとはどのような関係なのでしょうか?

福井:フィルムコミッションとは以前より交流がありましたが、私としても、企業がずっと主導するのではなく、地元が自ら仕掛けを作って行くことが、コンテンツが長く地域に根づくには欠かせないと考えています。その応援を引き続き行っていきたいですね。

 人気作品の舞台となったことがきっかけとなり、JR東海が積極的に関わることで応援の機運が高まっていった豊橋。コンテンツツーリズムにおける三方良しの関係構築に鉄道会社も版権窓口――ひいては地域にどれだけの利益が生まれているかの計測も可能であるはずだ――として、大きな役割を果たしている。ロケ地誘致にとどまらずそれを地域の活性化にもつなげようとする関係者の長きにわたる努力がそこにあり、その努力だけでは解決が難しい課題を企業が自らにもメリットのある形で解決できる可能性があることは、物語コンテンツ(著作物)を活用した地域振興のモデルケースの一つとなり得るはずだ。

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