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どこまで使える? 動画の“続き”をAI生成できる「Premiere Pro」新機能 いろんなパターンで実験してみた

ITmedia NEWS / 2024年10月31日 8時30分

 動画を流しで見ると、AI生成部分は若干フォーカスが甘い感じがするものの、一見違和感がないように見える。ただよく見ると、波のパターンが単純な横線になっている。フォーカスが甘くなったように感じるのは、画面の大部分を占める海面のディテールが減ったからだろう。またヨットの操縦者の頭がなくなってしまうのは、AIがこの部分を人間だと認識できなかったからだろう。

 その一方で、手前の岩のディテールはほとんど変化がない。またヨットの形状にも変化はない。固定されたディテールや形状には強いという事だろう。動画生成のポイントは、画面の中で人がどこに注目しているか、である。そのポイントのディテールを外さない限り、多くの人は他の部分に違いがあっても、気が付かない。

 では、アウトフォーカスされた部分はどのように生成されるのか。手前の花にフォーカスが合い、後ろがボケている動画の続きを生成してみた。

 これも手前の花やベンチの手すりなどのディテールが変わらないため、ほとんど生成した部分との違いが分からない。被写界深度によってボケたテーブルや草むらのディテールも変わっていない。こうしたディテールが分からないぼんやりとした部分も、うまく生成できるようだ。

 奥に見える男性の歩きも自然で、最後にちょっと駆け出すようなモーションも感じられるところだが、この部分がオーバーラップの「のりしろ」になるとすれば、分からなくなるだろう。若干コントラストが強くなっていく傾向も見られるが、AIが実写より適正な露出へ向かおうとしているのは、興味深いところだ。

●人の動きはどう生成されるか?

 こうしたフィラーのような風景カットの生成は、編集においてはそれほど喫緊の問題にはなりにくい。どうしてもそのカットでなければならないような、明確な動機が薄いからだ。

 一方人物が写っているカットの場合は、他に代わるものがなく、この続きが欲しいという動機が強い。実際に多く使用されるのは、人物の動きに対してであろう。

 そこで女性が1回ターンする動画を途中でカットし、生成AIがどのようにこの動画の続きを作るのかを観察してみた。このカットにはオリジナルの続きがあるが、あえてターンの途中でカットして、続きを生成させるという方法をとった。

 生成された動画を見てみると、人がターンするというアクションをAIが理解しており、その続きが生成されている。ただ、2回転するとは思わなかった。実際の動画と比較してみると、面白い。AIからすれば、1回転するだけという動きに、意味が見いだせなかったのだろう。

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