どこまで使える? 動画の“続き”をAI生成できる「Premiere Pro」新機能 いろんなパターンで実験してみた
ITmedia NEWS / 2024年10月31日 8時30分
実物と比較すると、背後の風景はかなり解像感が落ちる。このあたりは生成できないというより、背景に対してどれぐらいの精度でどれぐらいのマシンパワーを裂くのが現実的なのかという、アルゴリズムの問題だろう。
なおオリジナルの動画は、150%のハイフレーム撮影である。こうしたハイフレーム動画に対しても生成できるのか試してみたところ、問題なく生成できるようだ。
トレーナーのお腹の部分が、遠心力によって膨らんでいるが、これは変というよりも、そういうこともあり得ると考えさせられる。
将来的には、モデルが着用している服の柄などから類推して、市販されている服のデータを参照し、その伸縮率を取得してくるということも可能になるかもしれない。
では逆にタイムラプス撮影したものはどうなるのか。こちらは途中でガクンと解像度が落ちるのでどこからがAIなのか分かりやすい。映像的に速く流れ去る地面や草むらのディテールを再現するのは難しそうだが、空の雲はほとんど変わらない。このあたりも、どれぐらいのマシンパワーを使ってディテールを再現するかの閾値の問題のように見える。
ただこの動画の見どころは、参照可能な最終フレームの画像から、このさき道が2又に分かれており、そのどちらかに進むはずだという推測ができている点である。本物の映像は左側に進むのだが、AIはおそらく映像の傾きから、右側に進むだろうと推測したというわけだ。この判断は、理にかなっている。
●編集に必要なAI生成とは何か
AI生成の最初のステップとして、映像の続きを作るという機能が最初にフィーチャーされたわけだが、これは比較的実現可能性が高いからという理由だろう。
その一方で、この機能がどれぐらい有用なのかという点では、評価が分かれるところだ。筆者が40年に及ぶ映像編集者生活において、本当にカットの長さが少し足りなくて困ったという経験がどれぐらいあるのかと言えば、実際にはそうした機会はほとんどない。足りないのがあと数フレームであれば、分からないぐらいの速度でスピードダウンするという方法も使えるわけで、既存の技術でどうにかしてきた。
1秒も2秒も足りないのであれば、それはそんなところでカメラを止めるヤツが悪いという話になる。撮影者も自分なのであれば自分を責めるしかないが、プロのカメラマンであれば、必要なカットの数秒前から数秒後まで、のりしろ部分やステカット部分まで含めて撮影するというのは、「基本のキ」である。
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