「文学フリマ」の盛況を支える“KDP出版”とは? リスクを抑えながら自費出版する仕組みと楽しみ
ITmedia NEWS / 2024年12月22日 8時20分
自分の本が刷り上がってきた時の喜びは、商業出版以上のものがある
2024年12月1日、文学作品の展示即売会「文学フリマ東京」が、39回目にして、ついに東京ビッグサイトでの開催となった。西3、4ホールに、出展者、来訪者合計約1万4967人を集め、大盛況の内に終了したのだが、私にはこのイベントが、新しい電子出版の最前線のように見えた。
会場で販売されているのは、アナログの極みともいえる“紙の本”なのだけど、それらの本の製作は、ほぼフルデジタルで行われているし、宣伝、販売、イベント終了後の通販に至るまで、ネットサービスなしでは成り立たない。
文学フリマには、もう何年も客として通っている筆者は、今年5月に行われた「文学フリマ東京38」で初めて出展者になり、12月の「文学フリマ東京39」でも、引き続き出展者として本を作り、宣伝し、会場に搬入し、販売し、残った分をネット通販などを利用して販売した。それが可能だったのは、明らかにPCとインターネットのおかげなのだ。
そして文学フリマの出展者が増え、次回も東京ビッグサイトで開催できるまでの規模になったのは、電子書籍という出版社の新業態ではなく、電子出版という個人でも扱える新しいシステムが生まれつつあるということなのだと思う。
何よりも、まず「本を作る」という作業がものすごく楽になり、低コストになったことが大きい。それを象徴するのが、Amazonによる「Kindle ダイレクト・パブリッシング」。いわゆる「KDP出版」だろう。
●高品質のペーパーバックが簡単に
筆者も23年6月に、訳あってこのシステムを使って本を作らなければならなくなった。それはライター仕事の一環だったのだが、そこで気がついたのは、今や、高品質のペーパーバックが、実に簡単に、しかも数百円(1冊あたり)で作れてしまうという事実だった。
KDPのシステムは、いわゆるオンデマンド出版である。つまり1冊から本を作ることができる。しかも、例えば、180ページくらいの表紙はカラーで中は白黒の新書判のペーパーバックを作るのに、1冊なら600円程度でできてしまう。
そしてAmazon上で好きな価格を付けて販売できてしまう。Amazonで売るだけなら在庫管理も不要だし、持ち出しもゼロ。つまり、「とりあえず試しに本を作ってみるか」ということが、金銭的リスクをほとんど考えずに可能になるということだ。
KDPを使う場合、まず、Kindle Direct Publishingのサイトから、Amazonのアカウントか、新しくアカウントを作ってログインする。本自体は、PDFで入稿するので、好きな環境で作ればいいのだけれど、KDPでは作れる本の判型や紙が決まっているので、このサイトのヘルプページを見ながら、本の仕様を確認していくことになる。
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