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「文学フリマ」の盛況を支える“KDP出版”とは? リスクを抑えながら自費出版する仕組みと楽しみ

ITmedia NEWS / 2024年12月22日 8時20分

 決める必要があるのは、まず判型、そして紙とカラーか白黒か、断切り印刷をするかどうか、といった部分。とりあえず、そうした本の外観が決まれば、サイトに設定例が載っているので、それを見ながら、自分が作りたい判型に合わせて、上下左右のマージン幅を決める。

 そこまで決まれば、あとは好きなソフトでレイアウトするなり、組版を作るなり、そこは好きに本の中身を作ればいいのだが、面白いのは、最近の印刷屋さんは、このKDP同様、PDF入稿で本が作れてしまうこと。カラーページをCMYKで入稿するといったことが必要ないのだ。

 写真の解像度も、四六判程度ならスマホで撮ったもので何の問題もない。長辺が2000ピクセルもあれば十分だ。もっとも、大判の写真集を作るなら、それなりの解像度は必要だが、ファイルはRGBのJPEGファイルで構わない。

 フォントもPDFに埋め込めば良いので、手持ちの普通のフォントが使える。モリサワなどのフォントでなくても構わないし、アウトラインを取る必要もない。それこそ、「Word」や「Pages」などで作ったファイルを、そのままPDFに書き出せば、それが本になってしまうのだ。

 「Indesign」があるに越したことはないが、凝ったレイアウトにしないのなら、Wordでも十分。ただ、ワープロソフトは、DTPソフトと違って、レイアウトを決めたら流し込むとか、ページ単位で移動するといったことはできないので、とにかくテキストや図版を全部用意してから、最初のページから順に作っていく必要がある。これは、ワープロソフトに慣れていないと、ちょっと手こずるかもしれない。

 中身作りでの注意点としては、本文や目次、見出し、タイトルなどは全部、あらかじめ作っておくことだろう。もちろん、細部の修正はレイアウトしながらでいいのだけど、前にも書いたようにページ単位での入れ替えができないというのは、本作りにおいてはかなりのハードルになる。きちんと、大見出し、小見出しを構造化して、書式設定でフォントやサイズを決めてスタイル登録をしておくと楽だ。

 オンデマンド印刷が楽なのは、ページ数を16ページとか8ページといった単位に合わせなくてもよいこと。ただ、ワープロ・ソフトで作る場合、見開き表示にして、思ったようなページ割りになっているかの確認を行う必要はある。

 また、紙の本なので、最初に文字の大きさや行間、字間などの見た目の設定は慎重に。行の頭に一文字だけ残っていて改行していたり、1ページに1行だけで改ページといったレイアウトは、紙の本だとなるべく避けたい。

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