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思い出のVHSも見られない? “テープメディア終焉”の危機がせまる「2025年問題」を考える

ITmedia NEWS / 2024年12月26日 15時22分

 そんなケーブル見当たらないという場合は、カメラ側の「i.LINK」端子を使ってデジタルキャプチャーする必要があるが、これの受け手側であるPCの方に、i.LINK端子や「IEEE 1394」端子がもうないだろう。昔のWindows PCにはこうしたデジタル端子があり、DVカメラからデジタル直結でキャプチャーできたものである。現在もIEEE 1394のインタフェースカードは売ってはいるようだが、それが動くPCがあるかどうか。

 一応IEEE 1394はAppleのFireWireと互換性があるのだが、そのFireWireも現在はMacには搭載されておらず、後継規格のThunderboltになってしまっている。デジタル化されたテープのほうがキャプチャーが難しいというのは、皮肉な話である。

 HDVカメラがある場合は、おそらくHDMI端子も付いているだろう。ゲーム配信用にHDMIを録画できるキャプチャーボックスはたくさんあるので、それを使えばキャプチャーできるはずだ。

●DVDも安心できない

 00年代初頭には、DVDに記録するカメラも流行った。「うちはディスクだから安心」と思われるかもしれないが、DVDやBlu-rayのレコーダーやドライブももはや風前のともしびである。JEITA(電子情報技術産業協会)が公開している民生用電子機器国内出荷統計によれば、Blu-rayプレーヤー/レコーダーは19年から前年割れし始めており、それ以降は前年比8割前後で減少を続けている。早ければ5年、遅くともあと10年程度でレガシーメディアの仲間入りとなるだろう。今動く機器があるうちに、デジタルデータ化しておくべきだ。

 同じ理由から、テープメディアからディスクメディアへダビングするのはナンセンスだ。また5年後に、今度はディスクからファイル化へと似たような作業を繰り返すことになる。

 ダビングサービスを利用する場合、テープからDVDなどのディスクメディアへダビングしてくれるケースが多いと思うが、この場合はDVD Videoフォーマットではなく、単純にデータとしてMP4などにしてもらった方がいいだろう。DVD Videoフォーマットにしてしまうと、再生にはDVDプレーヤーが必要になるし、PCへのデータ取り込みも、昔懐かしの「リッピングソフト」をもう一度探す羽目になる。

 データ化したら、それは大手クラウドストレージサービス2つぐらいにアップロードしておくことを提案したい。頑張って自分でHDDなどに保存するという方もいらっしゃると思うが、どこかにやった、壊れて読み出せない、インタフェースが合わなくなった、間違えてフォーマットしたといったことが起こりうる。

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