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“日本型ライドシェア”の実態とは ドライバーに聞く「ぶっちゃけ割に合う仕事?」

ITmedia NEWS / 2025年1月14日 15時26分

 また、環状8号線と第1京浜道路の交差点で業務を開始するのであれば、羽田空港にはタクシーを使いたい顧客がたくさんいるように思うのですが、「現状、羽田空港への配車はライドシェアには認められていません。乗客が目的地に羽田空港を指定すれば向かうことは可能ですが、空港で乗客を乗せることはできません」(山野さん)と明かします。タクシー業界からすると、空港のような需要の多いところは、既得権を死守したいのでしょう。

 既得権という部分でいうと、乗客との会話の中で面白い気付きもあるといいます。アプリで配車を依頼した乗客には、周辺を走行するタクシー車両の情報がマップ上に示されます。乗客からすると、ライドシェアを含め最も近い場所を走行するタクシーが配車されると考えるのが普通です。

 しかし、わざわざ遠いところに位置する車両がやって来ることが珍しくないというのです。乗客には、タクシーを呼ぶまでは配車される車両がライドシェアのものか一般のタクシーかは分かりません。このことから、山野さんは次のように類推します。

 「効率性を考えAIを使って配車していることになっていますが、実際にはタクシー会社の配車担当による恣意性が入ってるのではないでしょうか。乗客が配車を依頼した時点で、タクシー会社側には目的地が分かるわけですから、遠方地など条件の良い案件を通常のタクシーに割当てることもできます」

 これはあくまでも山野さんの推測なので、真実は分かりません。しかし、業界の既得権を脅かされまいとする日本版ライドシェア導入の経緯などを鑑みると、自社で正規雇用するドライバーに有利な案件を割り当てたいという意識が働いても不思議ではありません。

●運行に必要なエネルギーの8割は太陽光でまかなう

 Model 3であることのメリットについて聞きました。まず、気になるのはエネルギーコストです。1日に約200km程度走行するそうですが、山野さんは、自宅に太陽光パネルとTeslaのパワーウォールを導入しています。

 そのため、「晴れが続けば、ソーラーパワーによる蓄電分だけで事足りますが、曇天や雨天ともなると電力量が足りません。電力会社の電気で充電する必要があります。全体として、ライドシェア業務に必要なエネルギーの7~8割程度は自給自足しているイメージです」(山野さん)。

 タクシー利用者は、Tesla Model 3のことをどう見ているのでしょうか。アプリでタクシーを呼んだ際、配車車両が決定した時点で。ライドシェアであること、車両がTeslaであることが分かるそうです。

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