1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. IT総合

“日本型ライドシェア”の実態とは ドライバーに聞く「ぶっちゃけ割に合う仕事?」

ITmedia NEWS / 2025年1月14日 15時26分

 タクシー会社によってはドライブレコーダーを自分で準備しなければなりません。また、事故のリスクもあります。タクシー会社はライドシェア事業向けの自動車保険の契約と提供が認可条件となっているのですが、有事の際の対応や精神的なストレスなどを考えると副業としてのコスパは、高いとは言い難いのではないでしょうか。

●驚くほど少ないシフト枠

 この原稿を書くために神奈川県のライドシェアの実情も取材しました。筆者自身で日本交通横浜のライドシェアについての説明を受けてきました。業務に関する一般的な説明の後、担当者は驚きの説明をしました。

 これはルールで決められていることですが、タクシー会社の規模に応じてライドシェア配車枠の上限が決められています。例えば、神奈川県の場合、金、土、日曜日の午前0~6時、午後4~8時にしか働けません。

 日本交通横浜のような大手であっても、午後4~8時のシフト枠は5枠しかありません。1日につきたった5枠です。つまり、日本交通横浜に所属するライドシェアドライバーは、最大で5人しか働けないことになります。

 ドライバーはアプリを利用して1カ月先までの枠を予約することができるのですが、「現状はドライバー過多状況で枠は奪い合いになり、1カ月前にすぐに埋まる」(担当者)と明かします。

 実際、正式にドライバーとして採用され、事前の研修を受け、いざ乗務開始と奮起しても、現状では、1カ月先までは乗務できないということになります。それも運良くシフト枠を確保できればということです。

 さすがに、午前0~6時の深夜は20枠確保されているそうですが、こちらも夕刻枠との比較でシフトを取りやすいものの、それでも順次埋まっていくようです。

 このことを山野さんに話すと、「日本交通横浜のような大手であっても、その程度のシフト枠しか割り当てられていないのであれば、他の会社はもっと少ないと思います」(山野さん)と教えてくれました。

 今回の取材を始めた当初は、Teslaを使ってライドシェアビジネスを行うことの悲喜交々をつづる予定だったのですが、山野さんの話を聞いたり、自身での取材を終えたところで、日本版ライドシェアの実情を伝える方が価値ある記事になると思い、その部分の比重が高くなりました。

 米国では、副業のライドシェアで月に数十万円をコンスタントに稼ぐドライバーもいるそうです。果たして制度としての日本版ライドシェアは今後どのような方向に進むのでしょうか。ライドシェアでこれだけの制約があるのですから、自動運転のロボタクシーなど夢のまた夢といったところかもしれません。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください