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「フレッシュプリキュア!」15周年 シリーズの“ターニングポイント”となった伝説のプリキュアを振り返る

ねとらぼ / 2024年4月25日 18時5分

 専用武器「パッションハープ」の玩具もヒット商品となり、このキュアパッションの成功を受けてか、以降のシリーズでは5~7月に追加プリキュアが加入する、というのも定番となっていくのです(これはちょうどお父さんの夏のボーナスの時期に重なるため、お財布のヒモが緩くなる側面もあったようです)。

●チャンネル権を持っている両親に向けて

 このイースからキュアパッションへの転生の物語のように、「フレッシュプリキュア!」の特徴の一つに「年間を通しての壮大なストーリー展開」が挙げられます。

 ダンスとプリキュアの両立、敵組織である管理国家ラビリンスのディストピア感、4人目のプリキュアは誰なのかという謎、敵からプリキュアになったことによる葛藤と贖罪(しょくざい)、家族になる物語、妖精シフォンの秘密など、縦軸としての物語が強く描かれました。

 梅澤プロデューサーによると、これは「保護者にプリキュアを認知してもらう」のが目的だったようです。

 「子どもはチャンネル権を持っていないため、両親が納得できる壮大なストーリーで両親を引き付けようとした」と後のインタビューで語っています。

梅澤 「プリキュア」は幼い女の子向けの作品ですが、彼女たちはチャンネル権を持っていない。両親が納得して初めて、女の子は「プリキュア」を見られるんです。ならば壮大なストーリーで、両親を引き付けようと考えました。子ども向けにはわかりやすいギャグ要素を入れて,みんなで楽しめるようにしました。ぴあ『プリキュアぴあ』(P87)

 そして、このストーリーの流れと玩具の販売もうまくかみ合いました。

 「フレッシュプリキュア!」の年末年始商戦は、「ほとんどの商品が売り場から無くなった」と玩具業界誌で評されるレベルで玩具販売も絶好調だったのです。

2009~2010年年末年始商戦総括商戦終盤には仮面ライダーWのすべての商品、フレッシュプリキュア!も「シフォンお世話になります」を中心にほとんどの商品が売り場から無くなった東京玩具人形協同組合『月刊トイジャーナル』(2010年2月号)

 この成功を受け、最大限に玩具が売れる「プリキュアの玩具販売の流れ」も定着していくのです。

 番組開始の2月は卒業、入学シーズンでメインアイテム(変身おもちゃ、妖精おもちゃなど)を発売、それが一段落したゴールデンウィーク前に「武器系のおもちゃ」を出し、その後、夏のボーナス時期に合わせて「ドラマティックに加入する追加プリキュア」の変身アイテムと武器アイテム、そしてクリスマスシーズンに大型の最終決戦用おもちゃを発売する、という一連の手法は後のシリーズにも受け継がれていくこととなりました。

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