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「映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記」レビュー 2年続けて「最後で台無し」の恐怖

ねとらぼ / 2024年8月24日 19時0分

 そもそも、「本物の恐竜と見紛うほどのロボットを作った」こともすごいことなのではないか。バブルはそのことを堂々と主張すればいいはずだし、SNSでもそうした声が出ていいはずだ。これもまた、この「クレヨンしんちゃん」映画のニセモノのような作品を作った作り手の自信のなさを示している……というのはもちろん考えすぎだろうが、そう思わないとやってられないほど、悪役の扱いが浅はかで意味不明だった。

●なぜここまで空虚で不快な作品になったのか

 なぜこのような作品が生まれてしまうのか。本作では「クレヨンしんちゃん」映画および子ども向け映画に求められる最低限のモラルが守れておらず、メインスタッフやプロデューサーの責任は重い。

 最後に、近年の「クレヨンしんちゃん」映画の中で屈指の傑作とされる「花の天カス学園」の高橋渉監督の言葉を引用しよう。(※高橋渉の高は、はしごだかが正式表記)

「僕らももちろん「オトナ帝国の逆襲」は名作だと思いますし、原恵一さんの思想と作家性が爆発して生まれたような作品ですから、それを追いかけても芯のないものになると思っていました」

 今回はどうだろうか。まさに過去の名作の「泣かせ」っぽいところを追いかけて……いや「とりあえず出した」な目配せに始終するばかりか、作品内の問題提起に対しても不誠実な、友達かつ子どものナナを死なせるという最悪の結末を用意する、芯がないどころか空虚で不快な作品となってしまったのだ。

●なまじ興行成績がいいからこその恐怖

 ちなみに、前作「しん次元」は「クレヨンしんちゃん」映画史上No.1の興行収入を達成し、今回の「恐竜日記」も公開から10日間で興行収入が13億円を突破する好成績となっている。前作はシリーズ初の3DCG作品だったこと、今作は恐竜というモチーフがキャッチーだったことに加えて夏休み興行が定番となり、今までのようにゴールデンウィーク公開の「名探偵コナン」とバッティングしなくなったったことなどが大きな要因だろう。

 なまじ興行成績がいいため、作り手が前作や今回のような路線を良しとし、「最後に台無し」な作劇を今後も繰り返してしまいかねないことに恐怖を覚える。2年連続で「クレヨンしんちゃん」映画でこんな気持ちになってしまうことがただただ、悲しい。こういうことを続けてはいけないのだ。作り手には真面目に批判を受け止めて変わってほしい。そう願うばかりだ。

(ヒナタカ)

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