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「スプラッシュ・マウンテン」になぜ消滅の噂が? 大人気ディズニーアトラクションをめぐる日米の動向を知る

ねとらぼ / 2024年10月23日 12時0分

 つまり、ディズニーの提案をそのままを採用することは少なく、いくつもの案が却下されたと考えると、カリフォルニア、フロリダでテーマ変更された「ティアナのバイユー・アドベンチャー」、および「ライオン・キング」テーマのアトラクションも、どちらもオリエンタルランドのOKが出なかったのではないか、と推測しています。

 裏を返すと……世界の「スプラッシュ・マウンテン」刷新作業は、東京を含めディズニーのイマジニアリングがストーリーと模型を作るレベルにまで進んでおり、かつそれが却下されて他のパークで受け入れられる、というとこまでの時間が経過しているという、現在進行形の作業であることも把握できるかと思います。そのため、未来永劫東京だけは「スプラッシュ・マウンテン」が残るとも全く思えないというのが、私自身の考え方です。

 ただ、2028年まで新生「スペースマウンテン」はオープンせず、さらに10月末で「バズ・ライトイヤーのアストロブラスター」がクローズすることを考えると、パーク自体のキャパシティ減を引き起こす、Eチケット級のアトラクションを今クローズできないという事情もあります。

 安心してほしいのは、オリエンタルランドほど日本のテーマパークを理解している企業はなく、ファンの嗜好を理解し、最も素晴らしいものを持ってきてくれるであろうという信頼がある点です。ティアナもシンバもストーリーとしてはよいかもしれませんが、あのスプラッシュ・マウンテンを置き換える力が日本にあるかというと判断が難しいでしょう。

 かつてディズニーのCEOだったボブ・チャペック氏は、ある講演のなかで「ウォルトは、彼が作ったパークをディズニーの歴史を見るための博物館にしようとは考えていないだろう。パークは時代とともに、そしてゲストとともに進化する生き物だ」と述べていました。ファンからは嫌われていたCEOでしたが、この言葉だけは心に残っています。

 私自身は「スプラッシュ・マウンテン」の行く末を楽観的に捉えています。そして、これまでと同様に新しいエンターテイメントで「驚かせてくれたまえ!」と、脳内のイーゴが叫んでいます(『レミーのおいしいレストラン』)。いま、ディズニーのテーマパーク事業はノリにノっています。まだ見ぬ未来を一緒に夢みようではありませんか。

●筆者紹介

宮田健:IT系メディアの編集者を経て、現在は独立しエンタープライズ系ITのライターとして活動する傍ら、広義の“ディズニー”を追いかけるディズニージャーナリストとして、個人でできる範囲の活動を行う。ディズニーを中心とした情報を集める個人サイトdpost.jpを運営。

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