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肉弾戦をしないプリキュアはラスボスにどう立ち向かったのか? 「わんだふるぷりきゅあ!」が描いた“大好き”を伝えることの意味

ねとらぼ / 2025年1月30日 18時5分

●世界を「ふたりぼっち」にしないこと

 ただ、同作では「あなたと私」の世界に閉じこもることも良しとはしませんでした。

 同作のシリーズ構成である成田良美さんは、アニメ誌のインタビューで「世界でふたりぼっちではダメなのか?」という問いに対し「ふたりでも楽しく過ごせるかもしれないが、いろいろな人や動物たちと仲良くなればもっとワンダフルになる」と答えています。

――「世界で二人ぼっち」ではダメなのだと。

成田 二人でも楽しく過ごせるかもしれないけど、いろいろな人や動物たちと仲良くなればもっとワンダフルになるかもしれない。だからユキもまゆも、猫集会の猫たちやクラスメイトたち、アニマルタウンの人たちとの交流をシリーズの随所で描き、友達の輪を広げてもらいました。

徳間書店『アニメージュ』2025年2月号 P76

 だから、「わんだふるぷりきゅあ!」では蟹江さん、大熊さんをはじめとした「魅力的なクラスメイト」や老齢マダム3人組など個性的なサブキャラクターも数多く登場させ「あなたと私」から始まる世界を広げていきました。

 そして「いろはとこむぎ」に加えて、「いろはと悟」の恋愛の関係性を描くことにより「世界でふたりぼっち」の閉じた世界ではなく、そこから広がっていく世界こそが「みんな笑顔でワンダフル」な世界だという風に描かれたのではないでしょうか。

●動物の声は想像の域を越えない、だからこそ

 かつてプリキュアシリーズは「地球を救う」どころか「宇宙を救う」にまでスケールが広がりました。昨今のシリーズではその反動からか「なりたい自分になる」といった「個」に焦点が当てられる傾向も見られます。

 そんな中、同作「わんだふるぷりきゅあ!」では、その「個」から一歩進み、社会の最小単位である「あなたと私」に焦点が当てられました。

 舞台はアニマルタウンという小さな町に限定され、その中で「こむぎといろは」「ユキとまゆ」「悟と大福」「スバルとガオウ」といった「あなたと私」の関係性の広がりで「わんだふるぷりきゅあ!」の世界は構成されました。

 「わんだふるぷりきゅあ!」のプロデューサー・多田香奈子さんは番組開始時のコメントで、「動物たちの声は想像の域を越えない」と語っています。

しかし、現実世界では、動物と人間は言葉を交わし合うことはできません。本作で語られるこむぎのセリフは、どこまでいっても想像の域を超えません。「犬はきっとこんなことを考えている」 これは人間のエゴなのかもと不安になることもあります。

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