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バッファロー開発陣に聞く「Wi-Fi 7」にいち早く対応したメリット 決め手は異なる周波数を束ねる「MLO」【前編】

ITmedia PC USER / 2024年4月23日 16時24分

 IEEE 802.11beでは、利用できる電波の帯域を最大160MHzから320MHzに広げた他、変調の高度化(1024QAM→4096QAM)や、MLO(※1)の導入などによって、理論上の最大通信速度が9.6Gbpsから46Gbpsと一気に約4.8倍に引き上げられた。このインパクトは大きい。

(※1)Multi Link Operation:離れた帯域の電波をまとめることで、通信速度を向上する技術(モバイル通信において「CA(キャリアアグリゲーション)」と呼ばれる技術とほぼ同じ)

 もっとも、現在の家庭向けブロードバンドサービスの最大速度は10Gbps程度なので、この高い理論値をすぐに生かせるわけではないが、中長期的な視点に立つと実効速度の改善につながるので、そのポテンシャルはすぐに生かせるだろう。

 規格としてのWi-Fi 7は、現時点でまだDraft規格となっている。バッファローのWXR18000BE10Pを含めて、Wi-Fi 7対応のルーターは既に複数発売されているが、今購入しても問題はないのだろうか。

●Wi-Fi 7ルーターは買っても大丈夫? 正直に聞くと……

 バッファローのWXR18000BE10Pは、国内メーカーとしては初めてWi-Fi CERTIFIED 7を取得したWi-Fiルーターだ。しかし、先に触れた通りIEEE 802.11beという規格自体はまだ確定していない。

 IEEE 802.11シリーズの無線LANでは、過去にもDraft時点で認定プログラムが登場したり、対応製品が発売されたりしたこともある。その際はDraftから仕様が大幅に変わることがなかったので、Draft準拠の製品も規格確定後に「正式規格に準拠したもの」として見なされた。

 とはいえ「まだ確定していない規格の製品を買っても大丈夫なのか?」という不安はどうしても拭いきれない。このことを率直にバッファローの皆さんに伝えたところ、成瀬廣高氏(ネットワーク開発部 第一開発課長)がこう答えた。

 結論からいうと、大きく2つの理由から心配する必要はないと考えています。 1つは米IEEEにおける規格の議論状況にあります。IEEE 802.11be規格に関するタスクグループでは2023年6月頃から「Draft 4.0」の議論が進行していますが、「Recirculation Ballot(投票の再実施)」という標準化を前にした細部のすり合わせ段階に入っており、本規格にさらなる新機能が搭載されるリスクはないことを意味します。少し言い方を変えると、IEEE 802.11be対応の通信チップの再設計を求められるような仕様変更はあり得ないということです。 もう1つは、当社製品の話になりますが、今回発売したWXR18000BE10PはWi-Fi CERTIFIED 7の認証を“しっかりと”取得したことです。この認証を取得するには、「新規格における互換性」はもちろんですが、「旧規格との互換性」や「他ベンダーとの互換性」を確保することも求められます。新旧規格で互換性のある運用を行える“お墨付き”を得たことになりますので、少なくとも同認証を得たWi-Fi 7機器は、安心して購入して頂いても大丈夫です。

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