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バッファロー開発陣に聞く「Wi-Fi 7」にいち早く対応したメリット 決め手は異なる周波数を束ねる「MLO」【前編】

ITmedia PC USER / 2024年4月23日 16時24分

●「Wi-Fi 7」認証を早期に取得&発売できた秘密は?

 時系列を振り返ると、2023年12月に「規格の合法化」が行われた後、WXR18000BE10Pは2024年1月に「Wi-Fi CERTIFIED 7取得」、同年2月に「発売」と、かなり短いタイムスパンで発売までこぎ着けたように見える。なぜ、ここまでスピーディーに認証を取得し、発売にこぎ着けることができたのだろうか。

 成瀬氏は「実は想定よりも約4カ月前倒しされた」と明かした上で、次のように説明した。

 本製品(WXR18000BE10P)の開発は、半導体メーカーなどと密にコミュニケーションをとりながら約2年間をかけて進めてきました。電波法や関連規則類の改正タイミングは、メーカーとして把握するのは難しかったので、できることは先に進めておこうと準備を進めてきた格好です。 当初、IEEE 802.11be規格に関連した規則改正を2024春頃に行われると予想していたのですが、それがまさかの2023年の年の瀬に早まってしまいました。 早期の発売に当たっては、ハードウェア面でも半導体のリードタイムが非常に長い時期でしたので苦心しましたが、一番大変だったのはファームウェアの調整工程だったと思います。

 ファームウェアは、ルーターを動かすために必要なソフトウェアだ。その開発に当たった市川剛生氏(ネットワーク開発部 FW第一開発課長)が、こんなエピソードを語ってくれた。

 当社では普段、コンシューマー製品と法人向け製品でファームウェアの開発チームを分けているのですが、想定よりも早くIEEEE 802.11beが解禁されたことに伴って法人向けチームを巻き込んだ“総力戦”で開発に挑みました。人員の規模でいうと、普段の2~3倍程度です。ベテラン社員の知見などを生かしつつ、チームメンバーの1人1人が自主的に取り組むことで、想定よりも短縮されたスケジュールにも何とか対応できました。 もちろん、IEEEE 802.11be(の通信機能)自体は、チップベンダーが作りこんでくださったので大きな苦労はありませんが、そこにセキュリティ機能を始めとするバッファロー独自機能も組み込む必要もあります。ここにはしっかりと投資をしなくてはなりません。

 Wi-Fi CERTIFIED 7の取得にも、苦労があったという。必要な試験に対応するために、一部のスタッフは台湾に1カ月半ほど出張していたそうだ。

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