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iPhoneへの「マイナンバーカード」にまつわる誤解を解く プラスチックカードより安全だが課題もある

ITmedia PC USER / 2024年5月31日 18時0分

 しかし、この方法は偽造カードを見破りづらいという問題がある。河野太郎デジタル大臣によると「角度によって、『マイナうさぎ』のマークの背景色が変わる」とのことで、それである程度の判別ができるのは確かなのだが、あまり良い照合方法とはいえない。

 最善の確認方法は、カードのICチップから券面情報を読み出すことだ。純正のマイナンバーカードには、顔写真を含む券面記載情報がデータとして保存されている。この情報は所定の方法で読み出せるのだが、偽造カードにはそもそもデータがない(≒そもそもICチップ自体がダミー)ことが多い。先の携帯電話ショップも、この方法が取れれば問題を回避できただろう。

 カードの保有者にとっても、情報を引き出すには暗証番号(券面入力補助パスワード)などの入力が必要という点でも、より安心できる。ただし、その暗証番号などを盗み見られてしまうといった危険はつきまとうので注意したい。

 その点、iPhoneのウォレットに格納されるマイナンバーカードは、カードのデータ読み出し時に「Face ID」「Touch ID」による生体認証をする。これなら、外で使っても暗証番号を盗み見られる心配はない。

 特にFace IDについては、7年前(2017年)の時点で、3Dプリンタで作ったお面を被っても認証を破れなかったことが話題になるなど、極めて安全性が高い。

メリット2:紛失/盗難時に自分で探せる(リモートワイプも可能)

 落としたマイナンバーカードが悪意のある人が拾われた場合、写真などを差し替えて悪用される危険性がある。先述の通り、目視によるカードの確認は、偽造に気付かずに確認プロセスをすり抜けてしまう可能性も否定できない。

 その点、マイナンバーカードが格納されたiPhoneを悪意がある人が拾っても、あなた(所有者)と“全く”同じ指紋を持っているか、“全く”同じ顔をしていない限り、使うことはできない。

 だが、それだけではない。万が一、プラスチックのマイナンバーカードを落としてしまったら、交番に届け出て見つかるまで連絡を待つか、見つからなかったら諦めて再発行をするしか方法がない。

 これに対して、iPhoneに入ったマイナンバーカードであれば、Apple WatchやiCloudの「探す」機能を使って自分で捜索できる。音を鳴らして探すこともできれば、GPSで位置情報を確認することもできる。電波の入らないところにあったり、電源が入っていなかったりしても、「紛失モード」に設定しておけば、次に電波をつかんだ時にどこにあるかが分かる。

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