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iPhoneへの「マイナンバーカード」にまつわる誤解を解く プラスチックカードより安全だが課題もある

ITmedia PC USER / 2024年5月31日 18時0分

 IT企業というと「人々がどんなWebサイトを見たり、どんなものを買ったりしているかといった個人情報を盗み見して、そこで儲けている」なんていう悪いイメージを持っている人もいるかもしれない。実際、広告を収益源としているIT企業には、程度の差こそあれ、少なからずそういう面がある。

 それに対して、AppleはiPhoneやMacといったハードウェア商品の売上で大きな収益を上げている。そのため、個人情報に依存した広告ビジネスを行う必要がないのだ。

 他のIT企業から見ると「ズルい」と思われるかもしれないが、このビジネスモデルの違いを最大限利用して、Appleは「(他のIT企業とは違って)個人情報を一切盗まない」というのを売りにしている。

 このプライバシー重視の姿勢が、よく表れたエピソードがある。

 2016年、米FBI(連邦捜査局)がテロリストからiPhoneを押収した。その中に入っている情報を取り出すべく、Appleにアンロックするように求めたが、Appleは「例え相手がテロリストであっても、プライバシー侵害の前例を作ることはできない」と、要求を断った実績がある。結局、この時はFBIが委託した技術会社がiPhoneのストレージ情報を大量に複製し、解読するという方法を取ったことで、最終的にデータを取り出すことに成功した。

 しかし最近のAppleの製品では、ここに指紋認証や顔認証などの生体認証を絡めた暗号化を施すようになっている。Apple自身ですらユーザーのデバイスに保存されたデータへとアクセスするすべを持たない(持てない)ようになってしまったのだ。

 筆者を含めたジャーナリスト/ライターは、レビューのためにAppleから発表されたばかりの新製品の貸し出しを受けることがある。レビューをした製品をApple社に返却すると、たまにAppleの担当から電話がかかってくることがある。

 「何だろう?」と電話を取ってみると、「レビュー時にiPhoneの『探す』機能をオンにしていたようです。そちらで解除していただけますか?」という用件であることが多い。

 要するに、探す機能がオンになっていると、製造者であるAppleですら情報を勝手に解除(消去)できない――セキュリティに対するAppleの姿勢が間違いない、何よりの証左だ。

情報を1カ所に集中することのリスクはないのか?

 もちろん、全ての情報を1カ所に集約することには、リスクがないわけではない。

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