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AI時代にCPU/GPUで攻めるAMD NPU強化でAI PCにも注力 HPC分野では“ライバル”との協力も

ITmedia PC USER / 2024年6月5日 6時0分

 台湾名物の夜市など、Stable Diffusion 3で描画した複数の画像も公開された。いずれの絵も不自然さが軽減され、描画の正確性も増している。ラフォルテ氏によると、Instinct MI300Xのメモリ容量の多さは生成画像のアップスケールに役立ってるという。

 ラフォルテ氏の後には、Microsoftのサティア・ナデラCEOからのビデオメッセージが放映され、Copilot+ PCに対応するRyzen AI 300シリーズと、Instinct MI300Xへの期待を語っていた。

 Instinct MI300Xの優位性が語られた後、リサCEOはInstinctシリーズのロードマップを語り始めた。

 Instinct MI300Xはリリースされたばかりだが、2024年後半にはInstinct MI300Xのメモリ回りを強化した「Instinct MI325X」がリリースされるという。より高速なHBM3Eメモリを288GBも搭載している。我が家のメインPCのメモリより容量が多い……。ピーク時のメモリへのアクセス速度は毎秒6TBと、容量はもちろんだがスピードも(コンシューマー目線では)モンスター級である。

 そして2025年には新アーキテクチャに移行した「Instinct MI350シリーズ」を、2026年にはさらに新しいアーキテクチャを採用する「Instinct MI400Xシリーズ」をリリースするという。リサCEOの言う通り「年ごとにケイデンスを重ねて」モデルチェンジをしていく格好だ。

 AI向けのGPUは、まだまだ加速が止まりそうにない。

ネットワークは「呉越同舟」で高速化

 今どきのデータセンター/HPCにおいて大切な「ネットワーク」だが、これは対外アクセスのことはもちろん、データセンター内(同一ロケーション)におけるGPUを含む各種処理装置間の通信(いわゆる「インターリンク」)も含まれる。

 このインターリンクを巡って、AMDを含む8社は5月30日(米国太平洋夏時間)に「Ultra Accelerator Link(UALink)」というオープン規格を策定し、普及団体「UALink Promoter Group」を立ち上げることを発表した。

 この「8社」には、AMDの競合であるIntelも含まれている。ある意味で「呉越同舟」かつオープンな取り組みで、ここに参加していないハードウェアメーカーを含めてUALinkの輪を広げようという取り組みだ。一方で、8社にはNVIDIAは含まれていない。同社は既に自社独自のインターリンクの仕組みを確立しているからだと思われる。

 CPU分野では競合関係にあるAMDとIntelが、インターリンク分野では協力してNVIDIAに対抗する――この構図は、ある意味で面白い。「これはこれ、それはそれ」である。

●AI向けAMD製品の進化が止まらない

 今回の基調講演は、AI向け製品の話題がメインだった。Ryzen 9000シリーズの発表にかけた時間は少なめで、少し寂しくも感じたが、EPYCのコア数やInstinct MI325Xのメモリ容量など、ハイスペックな数字にワクワクしたのも事実だ。

 AI向け製品は競争も激しくそれに伴って進化も加速する、そうなるとアプリ(ソフトウェア)もより精度が上がり快適になっていくだろう。そして使うユーザーが増えればもっと使いやすいサービスやソフトウェアも登場してくるかもしれない。そう期待できる内容だった。

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