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「Snapdragon X Elite」って結局どうなのよ? ASUS JAPANの「Vivobook S 15」を試して分かったこと

ITmedia PC USER / 2024年8月15日 11時53分

 なお、TDPは可変であり、IntelやAMDのUシリーズが採用される薄型ノートPCから、Hシリーズが搭載される高性能ノートPCまでをカバーする。つまり、PCベンダーの熱設計ポリシーによって、Snapdragon X Eliteの同じSKUを備えても、性能はかなり変わってくる可能性がある。

●バッテリー駆動時間は「性能の割には優秀」という理解が妥当

 Snapdragon X Eliteの発表時の記事を改めて見てみると、Qualcommの訴求はどうもズレているように感じる。

 発表時のプレゼンテーションにしても、「Geekbench 6.2.1のSingle-CoreのスコアがIntelのCore i9-13980HXより高いがはるかに省電力」「マルチコアのスコアについては、Core i7-1335Uや1360Pと比較して最大で60%高速」という説明で、何とも分かりにくい。これでは「良いところだけ選んでアピールしているんだな」という印象しか受けない。これまでの経緯も経緯なだけに、せっかくのパフォーマンスの飛躍的向上がうまく伝わらなかった感がある。

 また、Qualcommは、電力効率も強くアピールしているが、バッテリー駆動時間ということでは実際はさほどでもない。一例を引くと、本機のバッテリー駆動時間(公称値)は約18時間と長時間ではあるが、70Whの大容量バッテリーを搭載していることを考えれば、驚く数字ではない。パフォーマンスがきちんと伝わらなければインパクトに欠ける要素だ。

 あくまでも「パフォーマンスの割には優秀」という理解が妥当だろう。Snapdragonのブランドイメージとして電力効率の高さは定着しているため、電力効率の高さを強調したことで、以前の(電力効率は高いがパフォーマンスが低い)Snapdragonのイメージへと引っ張る印象を受ける。。

●互換性の課題を抱えるArmアーキテクチャ

 一方で、Snapdragon X Eliteに関しては、CPUコアの命令セットアーキテクチャが、Arm64アーキテクチャであることも忘れてはならない。動作するOSは「Arm版Windows 11」であり、IntelやAMDのCPU(x64アーキテクチャ)で動作する「(x64版)Windows 11」とはUIは共通だが、中身は全く別のものである。

 そのため、アプリの互換性については注意が必要になる。Snapdragon X Elite本来のパフォーマンスが発揮できるのは、Arm64ネイティブアプリに限られる。Arm版Windows 11は、x64(64bit)/x86(32bit)のアプリはエミュレートする機能を持っているのでArmネイティブ以外でも多くのアプリは動作するが、ハードウェアに直接アクセスするようなアプリや、アーキテクチャで起動やインストールを制限するようなアプリは動作しない。

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