1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. IT
  4. パソコン

「Apple Vision Pro」を真っ先に体験した林信行氏が改めて考える「空間コンピュータ」の現在地

ITmedia PC USER / 2024年8月22日 12時30分

 数週間後、日本において発売されたことで、ニュースは一時期“Apple Vision Pro一色”になった。しばらくの間は、さまざまなイベントでApple Vision Proがにぎやかし的に使われていた。私は出張や引っ越しが重なり、ネットでニュースを静観するだけだった。

 秋のvisionOS 2リリースを控えて穏やかな状態に入った今、このタイミングで改めてApple Vision Proという製品と向き合ってみたいと思う。

 正直、この製品の体験のすごさは2023年6月の20分の体験で書いた記事に今でもほとんど全てが凝縮されていると思う。ただ、あの時は記事の掲載を急ぐあまり重要なことを書き忘れた。

 それは、現行のApple Vision Proは製品名と価格が示す通り、一般向けの製品ではなく、これを仕事に活用しようとするプロフェッショナル向けの製品であるということだ。

 最近、人に「Apple Vision Proはどうか?」と尋ねられたとき、私は「今買える3~5年後の未来」と答えている。

 おそらく3年もすれば、今のApple Vision Proでできているのと同じレベルのことが、もっと安い価格と軽い本体で実現できるようになる。現行のApple Vision Proは、その時代に備えて新時代のコンテンツを開発したい人々への先行投資の製品だと思っている。

●Apple Vision Proの“本番”は2025年から

 Apple Vision Proの話題は、なぜ長続きしないのだろうか。

 1番の原因はまだアプリも少なく、継続して利用する動機が少ないからだと思う。現在のApple Vision Pro用アプリの多くは、確かにこれまでにない品質の没入体験ができるが、2~3回も楽しめば十分で、そのまま起動しなくなってしまうという類のものが多い(もっとも、これは他のVR/ARゴーグルも同様だろう)。

 そのような中で、筆者が個人的に気に入っているのはDJアプリの「DJay」だ。iPhone/iPad版もよくできていたが、Apple Vision Pro版の楽しさはレベル違いの面白さで、バーチャル空間の中でリアルな大きさのDJコントローラー(ターンテーブル)を操作してスクラッチなどを含めたDJプレイが可能で、選択シーンによってはDJプレイに合わせて踊ってくれるバーチャルなロボットダンサーまで楽しむことができる。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください