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「Apple Vision Pro」を真っ先に体験した林信行氏が改めて考える「空間コンピュータ」の現在地

ITmedia PC USER / 2024年8月22日 12時30分

 ちゃんとした根拠があるわけではないが、これまで30年以上にわたってAppleを取材してきた私の勘では、2~3年後なのではないかと思っている。その頃には、どの技術は切り捨ててもいいかの見極めがつき、製品の劇的な小型化ができるだろうし、もっと幅広い用途のアプリも出そろう。製品名に「Pro」がつかない一般向けの「Apple Vision」の登場もその頃になるのではないかと思う。

 それまでの間のAppleにとって、まず急務なのはAI処理に最適化したM4プロセッサ以降を搭載した次期Apple Vision Proの開発だろう。AI最適化プロセッサの採用は写真の立体化などの処理においても真価を発揮するはずだし、Apple Vision Proの視界に入っている物体をリアルタイムで画像認識する上でも重要になる。

 今後登場するApple Vision Proの後継製品については、もう1つ気になることがある。それは、どのような形で販売するかだ。Apple Vision Proは高いフィット感を実現するために本体、光の侵入を防ぐライトシーリング、顔の接触している部分への負担を和らげるライトシーリングクッション、バンド(ソロニットバンドとデュアルループバンドが付属)、バッテリー、さらには視力矯正が必要な人のための「ZEISS Optical Insert」といったいくつかのモジュールで構成されており、それぞれがマグネットなどでくっつくことで多種多様な人の顔へのフィット感を高めている。

 後継製品が出た際、アップグレードしたいユーザーは製品をまるまる買い直すのか、それともいくつかのモジュールはそのまま継承して本体だけ、あるいは一部モジュールだけ買うことができるのか。

 高価なZEISS Optical Insertは後継製品でも継続して使えないと困るが、それ以外にも使い続けられるモジュールがあるとしたらどれなのか。

 これらは、製品の最大の弱みである価格的負担を軽減する上でも重要だ。

 いずれにしても、Appleの製品は2代目こそが面白い。iPhoneにしても2代目のiPhone 3Gから極端に性能が上がったし、iPadもiPad 2になって一気に薄型化しカメラが付いた。Apple WatchのFeliCa/GPS/防水機能搭載もSeries 2からだ。

 そうした過去を振り返ると、Apple Vision Proという製品がどのような方向に伸びていきそうかを考える上では、2代目の製品こそが重要だと思っている(さらに格段にユーザーが増えるのは3~4年後にもっと安価な製品が出てからだ)。

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