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GPUの「レイトレーシング処理」改良の歴史をひもとく【Radeon RX 7000シリーズ編】

ITmedia PC USER / 2024年8月23日 20時5分

 そういうこともあり、当時は「なぜ、Radeon RX 5000シリーズ(RDNA)の時点でレイトレ機能を搭載できなかったのか?」という議論が盛り上がったことを記憶している。

 その答えは、端的にいうとRadeon RX 5000シリーズは“コスパ重視”の“中継ぎ”として開発されたからである。最初からレイトレ対応するつもりがなかったのだ。

 実際、Radeon RX 5000シリーズの最上位モデル「Radeon RX 5700 XT」のピーク時の演算性能は約9.8TFLOPSで、1つ前の世代の「Radeon VII」(約13.4TFLOPS)はもちろん、さらに2世代前の「Radeon RX Vega 64」(約11.1TFLOPS)よりも低かった。

 しかし、そんなAMDの思惑をユーザー側が知る由もない。Radeon RX 5000シリーズは、レイトレ対応を強く期待していた人たちの期待に応えられなかった。ただただ「AMDはNVIDIAに対して遅れている」というイメージを増大させるだけに終わってしまった感がある。

レイトレ初対応は「Radeon RX 6000シリーズ」に

 Radeonがハードウェアベースのレイトレーシングに初対応したのは、2020年末に登場したGPUアーキテクチャ「RDNA 2」からとなる。GPUチップとしての開発コード名は「Navi 2」で、製品名は「Radeon RX 6000シリーズ」だ。

 余談だが、先に紹介したPlayStation 5やXbox Series X | SのGPUコアもRDNA 2アーキテクチャベースである。

 2022年末には、現時点で最新のGPUアーキテクチャ「RDNA 3」を採用した「Radeon RX 7000シリーズ」(開発コード名:Navi 3)が発表された。

 トップモデル「Radeon RX 7900 XTX」のピーク時における理論性能は約61TFLOPSと、先代の「Radeon RX 6900 XT」の約23TFLOPSから2.6倍ほどパワーアップアップしている。驚きの性能向上ぶりだ。

 ライバルの最上位機「GeForce RTX 4090」の約83TFLOPSには水を開けられているものの、実売価格(16万~20万円程度)や定格消費電力(355W)はだいぶ低い。性能を鑑みると、ちょうどGeForce RTX 4090と「GeForce RTX 4080 SUPER」(約52TFLOPS/消費電力320W)の中間に来るイメージだ。

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