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大きな転換点を迎えるPCプラットフォーム Core Ultra(シリーズ2)とApple M4チップの「類似性」と決定的な「差異」

ITmedia PC USER / 2024年9月9日 12時5分

 近年、同社でも「Pコア(パフォーマンスコア)」「Eコア(高効率コア)」という、Armアーキテクチャでいうところの「big.little」のコンセプトが取り入れられ、サーバ/HPC向けとコンシューマー向けローエンド製品を除き、ヘテロジニアスなCPUへと“変貌”していたIntelのCPUだが、その軸足は常にシステムのスケーラビリティーに置かれていた。

 2023年にリリースされた「Core Ultraプロセッサ(シリーズ1)」(開発コード名:Meteor Lake)は、統合型プロセッサ(SoC)として「モバイル特化」「NPU搭載」という点にフォーカスした点が目新しかったものの、アーキテクチャ全体で徹底しきれていなかったことは否定できない。

 しかし、Core Ultra 200Vプロセッサは、モバイルデバイスへの適応性を高めるべく「電力効率の改善」と「AI処理能力の最大化」に主眼を置いている。

 電力効率の面では、基本消費電力(PBP)は17Wまたは30Wという設定だが、17W設定のモデルでは最小消費電力を8Wとすることもできる。これにより、メーカーはより小型/薄型のデバイスの開発がしやすくなる。

 新しいCPUコア「Lion Cove(Pコア)」「Skymont(Eコア)」(いずれも開発コード名)は、シングルスレッド性能と電力効率の向上に焦点が当てられている。特にPコアはマルチスレッド(SMT/ハイパースレッディング)機能を削るという大胆な決断をしていることからも分かる通り、「既存の技術を改良して新しいものを作る」というより、「既存技術を見直して再構築する」というアプローチを取っている。

 新しい「Xe2アーキテクチャ」を採用するGPUコアも、行列演算性能を高める「XMX(Xe Matrix Extension)エンジン」を搭載することで、AI処理のようなグラフィックス描画“以外”における活躍の場を広げている。

 CPUコア、GPUコア、そしてNPUそれぞれがAIワークロードに対し、効率的に処理する命令と回路を搭載しているため、AIのピーク処理性能はシステムトータルで最大120TOPSに達する。合計値としての処理能力の高さもあるが、処理の内容や目的に応じて適切なプロセッサを使い分けられるということの意味も大きい。

 Intelによると、Core Ultra 200VプロセッサはSoC全体のパフォーマンスが向上したにも関わらず、Core Ultraプロセッサ(シリーズ1)に対して最大で40%も消費電力を削減したという。おおむね、消費電力当たりの処理能力(いわゆる「ワッパ」)はApple M3ファミリー相当にまで高まっているようだ。

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