約5万円切りのMRヘッドセット「Quest 3S」に触れた 低価格化で空間コンピューティングを攻めるMeta、ARグラス「Orion」による技術革新も間近に迫る
ITmedia PC USER / 2024年9月26日 17時5分
ディスプレイに関しては、Quest 3Sは片眼あたり1832×1920ピクセルで、Quest 2と同等だ。Quest 3は2064×2208とより高精細だが、視野角(FOV)が異なるため、精細感の違いは数字で想像するよりも小さい。
Quest 3Sの視野角はQuest 2と同じ水平96度/垂直90度に抑えられている。上位のQuest 3は水平110度/垂直96度とより広い視野を持っている。
●Quest 3Sが低価格を実現できた主な要因はレンズか
Quest 3Sが低価格である主な理由は、Quest 2と同様のフレネルレンズを使用していることにある。これは本体の厚さにも影響を及ぼし、Quest 3Sの厚みは約73.9mmとなっている。
Quest 3はパンケーキレンズを採用することで約62.3mmまで本体の薄型化を実現しているのでがっかりするかもしれないが、同じくフレネルレンズを採用していたQuest 2(約93.1mm)と比較すると、Quest 3Sは40%の薄型化を達成している。これは装着感の面でも明らかな差を生んでいた。
一方、重量に大きな変化はない。Quest 3Sは約514gと、Quest 2(約503g)との差はわずかだ。しかし、装着時の快適性はかなり高くなっていた。これは薄型化による重心位置の変化が影響していると考えるのが妥当だろう。
Quest 3(約515g)もQuest 2と比べて差はわずかだったが、装着感は向上していた。これも本体の薄型化によるものだった。Quest 2比で40%の薄型化は果たしたQuest 3Sもまた、薄型化によって装着感が向上したと考えられる。
なお、軽量化に関しては、バッテリー容量を増加させながら実現している点にも注目しておきたい。Quest 3Sは4324mAhのバッテリーを搭載し、平均的な使い方で2.5時間の駆動時間を実現している。
短く感じるかもしれないが、Quest 2(3640mAh)が1.5~2.5時間だったことを考えると改善されている。ちなみにQuest 3は5060mAhと大容量のバッテリーを搭載しているが、ディスプレイなどの違いもあり、2.2時間と控えめだ。
さらにフェイスプレートから感じる圧迫が少なくなったこと、ストラップのデザインがQuest 3と同様のものに変更されたこと、フェイスプレートのパッドがより快適な素材になったことなども改善点として挙げられる。
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