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約5万円切りのMRヘッドセット「Quest 3S」に触れた 低価格化で空間コンピューティングを攻めるMeta、ARグラス「Orion」による技術革新も間近に迫る

ITmedia PC USER / 2024年9月26日 17時5分

 フィットネス系アプリを使う場合の汗に対応するため、通気性の良いメッシュ素材を用いたライトシール(遮光用のパーツ)がオプションで用意されたが、こちらも快適性を上げるための良い選択肢となるだろう。

 フィットネス系アプリに使われるQuestのシェアは高く、調査会社のDSCC/Counterpointによると、グローバルシェアの8割を占めている。このため、数多くのサードパーティーから、フィッティングを改善する多数のオプションが用意されることもQuestシリーズの魅力だ。今後新製品に向けて多数の選択肢がユーザーには生まれるだろう。

 こうした各パーツの構成の違いによる差を除けば、MRを活用した機能の体験において、Quest 3SとQuest 3の違いは思いの外小さい。

●Quest 3と同じカラーパススルー機能を搭載

 Quest 3SはQuest 3と同じ約400万画素のRGBカメラを搭載している。周囲の様子を18PPD(画角あたり18画素)の解像度で写し出すことになるが、4.5分の1の解像度しかなかったQuest 2のモノクロパススルーとは比較にならないほど体験が向上している。Quest 3と比べても、装着時に感じるカラーパススルーの見え方は“ほぼ同等”に仕上がっている。

 ただし、視覚的には極めて近い両者のパススルー機能だが、Quest 3がハードウェアによる深度センサーを搭載して空間の形状を識別しているのに対し、Quest 3Sは画像情報を元にした機械学習による推論で深度を推測する点が異なる。

 この違いは複雑な空間形状の認識で違いを生む可能性があるが、短時間のインプレッションでは違いを感じるシーンはなかった。おそらく用途に依存するだろうが、ゲームなどを遊ぶ上では、ほとんど問題にならないだろう。

 また、コントローラーとハンドトラッキング機能は、Quest 3と同一の技術で実装されている。リングのないスリムなデザインと、リアルな振動を生み出す「TruTouchハプティクス」で、自然で直感的な操作を実現している点は上位モデルと同じだ。ハンドトラッキング機能に関しても、Quest 3とQuest 3Sで体験に違いは感じられなかった。

●思った以上に体験の差がないQuest 3とQuest 3S

 実際に体験する前はQuest 3の低価格版という、あくまで下位製品というイメージだったが、実際に体験してみると、プロセッサの向上によるグラフィックスの質が上がっていることもあり、ディスプレイ解像度を含め体験の違いをほとんど感じなかった。

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