Appleはなぜ“Mac週間”でラインアップを更新したのか 透けるIntelチップからのリプレースとAIへのこだわり
ITmedia PC USER / 2024年10月31日 12時5分
M4チップの上位モデルに当たるM4 Proチップは、最大10基のPコアと4基のEコアを組み合わせた最大14基のCPUコアを搭載している。GPUコアはM4チップの2倍となる最大20基に強化されている。メモリは最大64GBまで搭載できるが、新しいMacBook Proでは最大48GBに設定されている(64GB以上はM4 Maxチップで用意)。メモリの帯域幅は毎秒273GBと、先代(M3 Proチップ)から実に75%高速化している。
そしてM4 Proチップの上位となるM4 Maxチップは、最大12基のPコアと4基のEコアを組み合わせた最大16基のCPUコアを搭載している。GPUコアは最大40基で、「16コアCPU+40コアGPU」の構成はノートPCとしては現状で世界最強のSoCといえる。メモリの容量は最大128GBで、帯域幅も毎秒546GBと超高速なので、従来はノートPCでこなすのが困難だった大規模な科学技術演算のワークフローにも組み込みやすい。
M4 Proチップでは、M3 Proチップに比べてCPUにおけるPコアの比率が高められている。M3 Proチップは「M2 Proチップ」までと比べるとEコアを重視した構成になっていたが、コア構成がより高性能な方向に変化しており、M4チップファミリーがM3チップファミリーよりも高い電力効率を実現した(≒Pコア比率を増やしても消費電力面での悪影響が出にくい)ことを示唆している。事実、後述するように新しいMacBook Proでは、公称のバッテリー駆動時間も長くなっている。
●新しいMacBook Proの狙いは「Intel Mac」ユーザー?
新しいMacBook Proにおいて、Appleが目指しているのはIntel CPUを搭載していた(2020年まで)のMacBook Proの“一掃”だと思われる。というのも、Appleが昨今推している「Apple Intelligence」は、MacではApple Siliconを搭載しているモデルでないと動作しないからだ。
「Intelモデルのリプレースがターゲットです」とAppleが公言しているわけではないが、新しいMacBook Proのパフォーマンス比較では、ほとんどにおいてベースライン(主な比較対象)をIntel CPU(Core i7プロセッサまたはCore i9プロセッサ)モデルとしている。
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