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Appleはなぜ“Mac週間”でラインアップを更新したのか 透けるIntelチップからのリプレースとAIへのこだわり

ITmedia PC USER / 2024年10月31日 12時5分

 例えば、Core i7搭載モデルと比較して(以下同様)、M4チップ搭載モデルでは「Affinity Photo 2」での画像処理速度が最大7倍、「Blender」でのレンダリングパフォーマンスが最大10.9倍だという。また、M4 Proチップ搭載モデルでは、Core i7搭載モデルと比較して「Topaz Video AI」でのビデオ処理速度が最大21倍、「Oxford Nanopore MinKNOW」でのDNA解析処理速度が最大29.9倍とのことだ。

 4年前のモデルとの比較とはいえ、圧倒的な差を示している。

 M4 Maxチップの性能はさらに印象的で、「MATLAB」でのシミュレーション速度が最大5.8倍、「Redshift」でのレンダリングパフォーマンスが最大7.8倍、「Xcode」でのプロジェクトビルドが最大4.6倍の高速化を果たせる。このチップを選ぶユーザーは、恐らくメディア処理のスループットを重視する傾向にあると思うが、「ProResビデオ」の同時処理が4K(3840×2160ピクセル)解像度なら最大66ストリーム、8K(7680×4320ピクセル)解像度でも最大15ストリームを同時に扱えるパワフルさを備える。

 M4ファミリーに共通して搭載される16コアの「Neural Engine」(NPU)は、1秒あたり38兆回の演算処理を行える。これはM1チップの約3倍で、オンデバイスでのAI処理能力が大幅に向上している。

 また、「Media Engine」では新たに「AV1」形式の動画のデコードをサポートしたことで、「YouTube」や「Netflix」など、同形式で動画を配信するストリーミングサービスの再生時の処理効率が改善された。

 もちろん、Apple Siliconを搭載したMacBook Proから買い換える検討している人もいるだろう。M1世代やM2世代のモデルからの買い替えは、十分に検討する余地はあると考えるが、この点については実機が手元に来てからチェックしていきたい。

●14インチモデルはバッテリーでの「24時間駆動」を実現

 M4チップファミリーの電力効率が先代よりも有意に改善されているという仮説は、新しいMacBook Proの公称バッテリー駆動時間である程度証明できる。

 14インチモデルには定格72.4Whのリチウムポリマーバッテリーが搭載されているが、M4チップ搭載構成ではビデオストリーミングで最大24時間、ワイヤレスWebブラウジングで最大16時間の駆動時間を達成している。公称値で“24時間”というのは、MacのノートPCとしては史上初となる。

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