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AIが「重くて、遅い」パナソニックを「軽くて、速い」会社に変える 楠見グループCEOがこだわる創業者の「これではいかん!」

ITmedia PC USER / 2025年1月1日 7時5分

 パナソニックグループでは、「削減貢献量」の社会的意義や、標準化の必要性に関する議論についても先導する役割を担っています。削減貢献量は、製品やサービスを導入しなかった場合と、導入した場合のCO2排出量の差分を指した数値であり、企業の脱炭素貢献を適切に評価するモノサシとして意義があると考えています。

 具体的には、各種のバッテリーソリューションや水素燃料電池、A2Wなど、化石燃料を電気に置き換え、電気を作るところも再エネ由来にすることで、CO2の削減に貢献できると考えています。

 環境においても重要なのは競争力であり、環境だから何でもかんでもやるというのではなく、他社以上に力を発揮できるソリューションに集中し、リソースを投下していく考えです。私は、Panasonic GREEN IMPACTの実現が、地球環境問題の解決とグループの成長を両立させるものになると確信しています。

 一方で、「くらし」の領域では、パナソニックグループが、安全で信頼を提供できる企業となり、家族や社会にとって欠かすことができない存在になることを目指しています。この取り組みは、まだ緒についたばかりです。

 それぞれのハードウェア商品を進化させていくことや、快適かつ安全に使っていただくための工夫も必要ですが、さらに、お客さまが多様化する中で、お客さまにどう寄り添っていくのか、ということを改めて考える必要があります。

 しかも、「寄り添う」といった観点での精度を高めていかなくてはなりません。お客さまが目指す生き方や過ごし方を理解し、家電を始めとした生活に必要なものや、生活を支援するサービスなど、くらしに必要なあらゆるものを最適な形で調和させ、家族の健康と幸福を実現することを目指さなくてはなりません。そのためには、AIを筆頭に最新技術を活用することが不可避だといえます。

―― パナソニックグループは、AIを積極的に導入している企業として知られています。2023年2月から、事業会社であるパナソニック コネクトが、先行する形で生成AIである「ConnectAI」を導入し、同年4月には全社規模で「PX-AI」の導入を開始しました。今では全世界で約17万人のパナソニックグループ社員が、PX-AIを利用しています。このとき、楠見グループCEOはパナソニックグループへのAI導入を即決したと聞いています。

楠見 AIをやるといっても、OpenAIに対抗して、モデルを開発するわけではありません。パナソニックグループのスタンスからいえば、いいエンジンを選び、いかに使いこなすかが大切になります。

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