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AIが「重くて、遅い」パナソニックを「軽くて、速い」会社に変える 楠見グループCEOがこだわる創業者の「これではいかん!」

ITmedia PC USER / 2025年1月1日 7時5分

楠見 今はメールの返事を書いてもらったり、作った文章の推敲をさせたりという点で利用しています。実際、こういうシーンで、こういう場所で、こういう相手に、こういう趣旨でしゃべりたいといって原稿を書かせてみると、そこそこのものが出てきますよ(笑)。

 多いときには1日5~6回使っていますが、今日は全く使わなかったという日もありますね。ただ、経営判断に活用するというところには至っていません。しかし、AIはいろいろなことを覚えていますから、関連する事柄の情報を正確に得ることができ、その点では重宝しています。

 人がモノを考える際には、いくつかの事象から判断していますが、全てを網羅して判断することはできません。判断する際に、自分が網羅的に考えることができているかどうかを試すために、AIに質問を投げてみるといったこともやっています。時々、「あぁ、そうだったね」みたいなことにはなりますね(笑)。

 実は2024年に、中国の北京で自動運転車に乗って、ちょっと驚いたことがありました。中国は右側通行ですから、 左折するときには対向車がやってきます。対向車が向かっているのに、「えっ、このタイミングで行くのか」と思ったら、何事もなく曲がっていったのです。

―― それは、中国の街中でよく見る強引な曲がり方ですか。

楠見 いや、極めてスムーズでした。しかも、ビュンと曲がるわけではなく、何の不安も感じさせずに、スッと曲がっていった。それを一般公道でできているわけです。人による運転は、常に360度を見ているわけではありませんし、測距しているわけでもありません。しかし、センシング技術とAIの制御によって、人よりもはるかに正確に、瞬時に周囲の状況を捉えて判断しているわけです。人間にはできないことやっているなと感じました。もしかしたら、ハイヤーやタクシーのドライバーよりもすごいかもしれないと感じたほどでした。

―― PX-AIを始めとするAIは、パナソニックグループをどう変えるのでしょうか。

楠見 仕事の100%をAIでやるというのは絶対に無理ですし、人が倫理観や正義感、正しい価値観にのっとってAIを活用していくことが前提となります。

 ただAIの活用方法を、社員一人ひとりが身につけてくれれば、パナソニックグループを素早い会社に変えてくれると信じています。私は、「重くて、遅い」と言われるパナソニックグループを、「軽くて、速い」会社に変えることができるのがAIだと思っています。

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