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AIが「重くて、遅い」パナソニックを「軽くて、速い」会社に変える 楠見グループCEOがこだわる創業者の「これではいかん!」

ITmedia PC USER / 2025年1月1日 7時5分

―― 確かに、パナソニックグループの企業体質は「重くて、遅い」と言われ続けてきました。少しは「軽く」なり、少しは「速く」なっているのでしょうか。

楠見 残念ながら、その改善に点数をつけるならば、 現状は100点満点で20点程度かもしれません。軽くて速くなった組織もあれば、そうなっていない組織もあります。

●創業者の「これではいかん!」が今でも有効な理由

―― 重くて、遅いままの組織に共通している点は何ですか。

楠見 ひと言でいえば、現状への安心感です。無理をしなくても、守られている安心感がどこかにあるのではないでしょうか。また、必要以上に内部調整に労力や手間をかけており、そこにスピードが上がらない理由があります。なぜ、ここまで内部調整に時間をかけているのかということを、それぞれの組織で改めて考えてもらいたいと思っています。

 パナソニックグループでは、2022年4月から事業会社制に移行しましたが、残念ながら、それぞれの事業に最適な経営の仕方や、創意工夫への努力が足りていないと感じています。持株会社がもっと踏み込むべきだったという反省もあります。

 課題が解決されていないからこそ、今の業績にとどまっている。パナソニック コネクトのように、自分で走っていく方向を打ち出し、自ら変わっていく形になっていかなくてはなりません。

―― 楠見グループCEOは就任以来、創業者である松下幸之助氏の言葉をとても大切にしていることを感じます。今、大事にしている創業者の言葉は何ですか。

楠見 創業者は、経営にとって大切な言葉を数多く残しています。ただ、どの言葉を優先すべきがという考え方はなくて、事業を推進するそれぞれの場面や経営課題に直面する中で、いくつかの言葉が浮かび、そこでハッと気づかされることがあります。

 それらにおいて、頭の中にずっと残っている言葉が1つあります。それは、入社直後の研修で見せられた創業者のビデオの中で語られていた「これではいかん!」という言葉なんです。

 実は、創業者はこの言葉を、あちこちのシーンで何度も語っています。本当に駄目な状況で、「これではいかん!」と言っているのは当然ですが、平時の状況だと思えるような中でも課題を見つけて、「これではいかん!」と言っているケースがあります。創業者には、「現状を是としない」という考え方がベースにあります。

 なぜか分からないのですが、私は新入社員のときから、ずっとこの言葉が頭の中に残っているんですよ。私自身も、ずっと仕事をしてきて、物事の見方の目線は常に「これではいかん!」という姿勢だったと思っています。今のパナソニックグループに対しても、「これではいかん!」という姿勢で取り組んでいます。

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