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AIが「重くて、遅い」パナソニックを「軽くて、速い」会社に変える 楠見グループCEOがこだわる創業者の「これではいかん!」

ITmedia PC USER / 2025年1月1日 7時5分

 ただ、今のAIは正しい知識を持っているのか、正しく回答できるのかという点で課題があります。しかし、この精度は高まっていくことになるでしょうし、AIがこのまま進化していけば、過去の知識に基づく判断という点においては、人間以上に正確になる可能性があります。

 AIが得意なところはAIに任せて、人はAIにはできないことに集中しないといけません。そういうことができるようになった組織や集団が、一歩も二歩も抜きんでることになります。AIによって、人の数が数分の1で済むようになるという話もありますが、AIの効果は人減らしではなく、効率性を高めて仕事ができ、新たなものを創出できるようになるという点です。

 お客さまに対するサービスも、もっと一人ひとりに寄り添うことができ、ハルシネーションなどの課題が解決すれば、さらに効率的に、もっと正確に対応できるようになります。AIを活用して、人や家庭に寄り添ったウェルネスサービスを進化させることができると考えています。

●社員全員がAIを身につければパナソニックは変わる

―― パナソニックグループでは、業務効率化のためのAI、モノ作りのためのAI、 製品やサービスに組み込んでお客さまと相対するAIと、さまざまなAIが使われていますね。

楠見 AIにはそれぞれに得意/不得意がありますから、それを意識しながら、さまざまな局面でいろいろなAIを活用しています。お客さまと相対する領域であればチャットボットを通じて、より最適なサービスを提供することができますし、商品のサービスマニュアルを学習させれば、ある程度の対応ができ、人でやるよりも、むしろ効率的にできるようなシーンも生まれています。

 業務を効率化するといった用途では、使う人のスキル教育をもっと行う必要がありますが、既に多く社員が使い始めており、使ってみたらこんな使い方ができたという情報共有も始まっています。

 これからは、こんな仕事でこんな使い方をしたら、効率が5倍になったというような事例を集めたいですね。当然、競合もそれを狙っているはずです。正直なところ、AIを使うことに対して抵抗感を持っている社員もいます。しかし、当然のようにしてAIを使いこなす競合企業に対抗するには、私たち自身もAIを使いこなすことが前提になります。そうした世界が訪れるのは明らかです。

―― 楠見グループCEOは、どんなところにAIを活用していますか。

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