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AIに定義づけられた製品が花開く――「CES 2025」に見る2025年のテックトレンド

ITmedia PC USER / 2025年1月20日 16時5分

 SHMで気になるのは、同社の母体の1社であるHondaと異なるSoCベンダーと提携し、Hondaと異なるソフトウェア基盤を開発していることだ。

 Software Definedを突き詰めるのであれば、ソフトウェア開発にスケールメリットを求めるべきだ。それはコンピュータの歴史を振り返れば自明だろう。SHMとHondaが相互にソフトウェア開発のノウハウを共有するには、プラットフォームを共通化した方が都合が良い。

 今後、ソフトウェア中心の物作りで重要になるのは「AI」で、その質を高めるのはデータの「量」と「質」だ。少子化が進む中、日本の国内市場が伸び悩む事は明らかな情勢だ。AIは車内エンターテイメントのみならず、自動運転でも今後重要になっていく。AIの質は取得した(≒学習した)データ量と一定の相関関係を持つため、その基盤となるユーザーの絶対数は大きく影響する。

 ユーザー数という観点に立つと、中国のEVメーカーは先行している。CESを見ただけでは、日本の自動車業界が“基幹産業”としてどのような対応を取るのかは判断できない。しかし、今後は新たな提携や業界再編を求める圧力は強まることは間違いなさそうだ。

●「AI Defined」は「データドリブン」につながる

 CES 2025ではSDVが1つのテーマになったが、Software Definedというコンセプト“そのもの”は、自動車業界だけではなくさまざまな産業領域に通用するものだと想像できる。

 テクノロジーによって産業をどのように再活性化するか――最近は「DX(デジタルトランスフォーメーション)」と呼ぶこの考え方を、物作りにおける商品コンセプトを構築するする際に置くことこそが、まさにSoftware Definedともいえる。

 例えば、成熟産業であるオーディオ業界をSoftware Definedにすると、どのような変革が期待できるだろうか。この業界は、典型的なハードウェア志向の技術革新で進化してきた。スピーカーの材質、振動板の構造、アンプの高精度化などハードウェアを改良することで音質を高める“王道”路線を歩んできたともいえる。しかし、このようなアナログ的なアプローチでは、解決が難しいこともある。

 その一例が、室内の音響特性や環境ノイズを考慮した再生環境の構築だ。近年、これらの問題をソフトウェアの技術革新で解決しようという動きが盛んになっている。アナログ的な製品の背景としてデジタル(ソフトウェア)技術を活用することで、ハイエンド製品の価値を高める例も見られる。

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