AIに定義づけられた製品が花開く――「CES 2025」に見る2025年のテックトレンド
ITmedia PC USER / 2025年1月20日 16時5分
集まるデータを基にして、完全自動運転が安全な交通を近未来で実現するというシナリオを描いているようだ。
ここまで紹介してきた基調講演の内容は、いずれもデータドリブン型であり、集約したデータがサービスの価値や品質を大きく左右するという点で共通している。CES 2025の基調講演に登壇したAccentureのジュリー・スウィートCEOは「データとAIが、働き方にどのような変化をもたらすのか。そしてその結果、企業がどのように変化するかを注視すべきだ」と話る。
テクノロジー産業がAI中心になっていくことは、誰もが想定しているとは思う。しかし、その結果進んでいくデータドリブン社会において、企業と消費者、その間に存在する製品やサービスがどのようにあるべきなのかと、スウィートCEOは問う。
同社が毎年発表しているテクノロジーレポート「Tech Vision」でのテーマも、今年はAI社会を見据えた「相互信頼の構築」にフォーカスを当てているという。
●「データドリブン」が生み出す商品/サービスの価値
ソフトウェアで価値を創出し、AI活用を中心にした機能設計を行う――そのような物作りの世界では、製品がより多く使われるほどにデータが集まり、機能が高度化し、消費者が直接使うエッジデバイスとクラウドのシームレスな連携も進む。
このネットワークの幅は、広いほど好ましい。異なる種類の製品やサービスが集めるデータを相互に学習し合い、新たな価値を創出できるからだ。結果として、1つの企業が全ての役割を担うのではなく、異なる事業者の多様な製品、複数のサービスが産業を進歩させるエコシステムの形成へとつながるだろう。音声や視線、ジェスチャーなど、さまざまな入力手段をAIが認識/解析し、ユーザーの意図を先読みして最適な操作やサービスを提供する「次世代インタフェース」の普及が加速するかもしれない。
一方で、大量の個人情報や行動データがリアルタイムで収集/分析される状況は、利便性と表裏一体の“懸念”もある。AIの意思決定プロセスがブラックボックス化することによる説明責任の欠如や、予期しないアルゴリズムのバイアス(偏見)なども問題となりうる。
しかし、データ交換におけるプライバシーなどの問題を乗り越え、相互信頼の構築が可能になれば、ユーザーはデバイスの存在を意識せずに、自分の行動や意思を自然に反映した体験を得られるようになるだろう。
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