[Japan In-depth 編集部]【AIが拓くグローバル競争に日本は勝ち残れるか】~アジア・イノベーション・フォーラム 2015~
Japan In-depth / 2015年12月6日 18時0分
2020年、東京でオリンピックが開催される年、気が付いたら世界のテクノロジーは大きく変化しているのではないか。その時になって我が国が追いつこうとしても、出遅れてしまうに違いない。
2007年より開催されている国際会議、「アジアイノベーションフォーラム」が12月2日、東京、虎ノ門ヒルズにて開催された。クオンタムリープ株式会社の代表取締役 ファウンダー&CEOの出井伸之氏が主宰する会議の今年のテーマは、「2025年 あなたの国は?あなたの企業は?」
変革が加速する中、10年後の世界を見据え人工知能(AI)が変革するビジネスモデルとはどのようなものなのか、最先端のビジネスリーダーが集まり論議を広げた。また、出井氏によると「地球そのもののインフラを見直す」という世界規模、人類規模の課題について登壇者等が論議するのが今回のメインテーマでもあった。
戦後およそ50年間、日本は製造業を中心とし、国家として明らかに白星であった。しかしバブルが崩壊し、1995年以降、世の中がインターネット世代に突入してからというものの、日本は新しい産業を生むことが出来ず、「変化するために頑張っているが、このところ黒星が続いているのではないか」と、出井氏は冒頭のスピーチで日本が抱える問題点を浮き彫りにした。
技術は止められない早さで進化している。アナログ時代当時、5000万台のユーザーに到達するまでにラジオは38年、テレビは13年かかった。一方、世界がデジタル時代に入り、iPodは4年、インターネットは3年、またSNSのFacebookは1年、Twitterはたったの9ヶ月しかかからなかった。
10年後の2025年には、人類が手にしつつある4つの道具:ビッグ・データ、ハードウェア、ネットワーク、とアルゴリズム(AI)の高速的進化は今までのビジネスモデルに大変革を起こすだろうと出井氏はいう。そのためには、大企業も国も、今から変化に向う姿勢と意識が必要だと指摘した。
では、テクノロジーとは切っても切れない経済はどうであろう?基調講演を行った国際通貨基金元専務理事、ドミニク・ストラス=カーン氏は「世界経済の現実と未来」について、世界経済はボラティリティー(不確実性)が増えつつあり、「現実は思う程良くはない」と悲観的な現状を語った。最近のIMFの見通しでは、昨年の6月に比べると再び下り坂であるのは明らかだという。
第1部のパネルディスカッション「世界経済の現実と未来」では、ヨーロッパや南米など各国から識者が招かれた。キャノングローバル戦略研究所研究主幹の古手川大助氏がモデレーターを務める中、カーン氏、パウロ・ノゲイラ・バチスタ・ジュニア氏(新開発銀行BRICS銀行 副総裁)、ウラジミール・ヤクーニン氏(The World Public Forum創設者兼会長)、ヘルガ・ゼップ=ラリューシュ氏(シラー研究所創設者兼会長)等が世界の経済と情勢について論議した。
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