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[Japan In-depth 編集部]【AIが拓くグローバル競争に日本は勝ち残れるか】~アジア・イノベーション・フォーラム 2015~

Japan In-depth / 2015年12月6日 18時0分

ラリューシュ氏は経済危機の他、各国で止まないテロ組織の残虐な犯行、難民問題、南シナ海問題などを例に取り上げ、「人類が立ち向かっているクライシス」の解決には新たなパラダイムを築いていくことが必須だと訴えた。およそ2000年前に中国を統一した漢王朝時代に作られたシルク・ロードは、当時東洋と西洋の物資、テクノロジー、文化、などの交流のルートとなった。世界が激しく戦い分裂するいま、アジア、ユーロシア、西洋を繋ぐ、「新シルク・ロード」が21世紀の人類を平和へ導く”World Land Bridge”すなわち、「世界を結ぶ陸橋」になるはずだと自身が数年前から手がけているプロジェクトを発表した。

ヤクーニン氏も同じく、より完全な社会、人類の進歩には今「発展のパラダイム」と称する、プラットフォーム再編の必要性を意識する大切さを訴えた。



第2部パネルディスカッション「静かなる変革—テクノロジー進化と未来」、パートI「新しい人類のOS:人工知能」では、国内のテクノロジー業界で活躍するビジネスリーダーがそれぞれの分野のAIとAIテクノロジーの変革、社会、企業、人類との関わりに焦点を置いた議論が開かれた。

登壇者は、モデレーター:富山和彦氏 (株式会社経営共創基盤代表取締役CEO)
パネリスト: 立石 文雄氏(オムロン株式会社取締役会長)、安宅和人氏 (ヤフー株式会社チーフストラテジーオフィサー)、松尾豊氏(東京大学工学系研究科准教授) 、川上和也氏(カーネギーメロン大学 言語技術研究所)。

パネリストの視点は皆、オートメーション化の進化が今後いかに不可欠だという点であった。同時に人間の進化と役割が先ずは基本であるという点も強調された。人とAIの役割の差別化、また二つの共同作業が鍵だとの点で一致した。

そうした中、オムロン株式会社の立石氏は、「AIは、人間が進化する為に自らが作り出したもの」であり、「(AIは)自分で目的を作れない。人間が目的をクリエイトして、それを命令する事が不可欠」だとして、人間の役割の重要さを強調した。

また、AIには「意思がない、人間の様に感じることはできない、また事例が少ないことに対応、判断が出来ない」とヤフー株式会社の安宅氏はいう。その為、実際には多くの課題解決プロセスは困難だとし、人工知能は「我々が想像する様な課題解決マシーンではない」と述べた。また、「人類にとって最大脅威になるのかというと、それはありえないと思う」とし、AIが人知を代替するという一般的理論はラディカルだと主張した。

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